二重橋前で雅子さま撮影成功の会社員に人だかり

永井敬人さんが撮影した皇后雅子さまの写真

天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」が10日、都内の皇居周辺で行われた。パレードがスタートした皇居宮殿の正門に近い二重橋前の観覧ブースには、大勢の人が足を運び、パレード開始時には、車両が通った両サイドのブースに、それぞれ10列以上の列が出来た。

両陛下を乗せたパレード専用のオープンカーが皇居を出る午後3時になると、待ちわびた観衆は歓声を上げ、遠巻きに車列が見える度に国旗を振った。なかなか見えないからと、背伸びでは足りずジャンプを繰り返したり、ブース内を移動する観衆が続出。警察官からは「ジャンプしたり、移動せず、その場で見て下さい」と“ジャンプ&移動禁止令”まで出た。

午後3時5分、観覧ブースの一部から「来た!」と声が上がると、観衆は一斉に背伸びしたり、スマートフォンを頭上に上げた。ただ、「何も見えない」と観衆が口々にボヤく中、同6分、パレードの車列は通過していった。中には「(車列が)通ったのも分からなかった」とボヤく女性もいた。

その中、観覧ブースの一部に、人だかりが出来た。その中心にいたのは、会社員の永井敬人(28)さん。永井さんが手にした、望遠レンズ付き一眼レフカメラのモニターには、皇后雅子さまの笑顔が写っていた。「見せて!」「撮れた人、いたってよ!」「うらやましい」などの声に、永井さんは快く写真を見せた。

永井さんは、在住の名古屋から友人と一緒に泊まりがけで前日入りした。「パレードを、どうしても見たかった。一生に1度のことだから。たまたま休みだったので、来ることが出来た」。この日、二重橋前の手荷物検査場には、パレード開始の約5時間前の午前10時10分に着いたが、いざ観覧ブースに入ると、ブースがもう1つ、前にあり道路までは距離があった。

永井さんは「どうしても写真を撮りたかった。でも(車列が)来たの、分かりました? 僕は分からないし、前の人が国旗を振っていて見えなかったので(感覚で)カメラを持ち上げた」と振り返った。そして「適当にシャッターを切っていたら、肉眼で雅子さまの横顔が見えた。見られて良かったと思ったら、1枚だけ撮ることが出来た」と笑みを浮かべた。

両陛下を目視すらできなかった観衆に囲まれ、すっかりヒーロー状態になった永井さんは「次、もしこういう機会があったとしても、きっと僕が60歳から70歳になったくらいでしょう。撮ることが出来ないと思った写真も撮れた。一生の思い出に残る」と満面の笑みを浮かべた。【村上幸将】