コロナ影響で老舗旅館が倒産 国内初の経営破綻か

東京商工リサーチなどによると、愛知県蒲郡市の老舗旅館「冨士見荘」が今月中旬に廃業し、25日までに破産手続きに入った。

中国人ツアー客を中心に経営していたが、1月下旬に中国政府が海外への団体旅行を原則中止。キャンセルが相次ぎ、今後の見通しも立たないため、事業継続を断念した。新型コロナウイルスの影響としては、初めての経営破綻とみられる。負債は不明。

同社は三河湾の景色で知られる西浦温泉の老舗で、1956年創業。徐々に業績不振になり、13年に不渡りを出したことがある。その後は中国人観光客をメーンにしていたが、経営は厳しかったもよう。

東京商工リサーチは「新型肺炎について、既に影響がある、影響がこれから出るとみている企業は多い」と指摘。インバウンド需要を見込んできた観光業が事実上、供給過剰状態になるなど影響を受ける業種は多い。同リサーチは「これからも、同様のケースが出てくるのではないか」とみている。