東大大学院生26歳谷合廣紀が年齢制限ギリギリ昇段

昇段を決め喜びを語った服部三段(左)と谷合三段

第66回奨励会三段リーグ最終日(17、18回戦)が7日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われ、順位2位の服部慎一郎(20)と同4位の谷合廣紀(26)がそれぞれ14勝4敗で昇段を決めた。2人は4月1日付で四段となり、プロデビューする。対局後には早速、会見に応じた。

服部は最終日に午前、午後と連勝。「2局とも序盤苦しくしたが、持ち味の粘りで勝つことができた。定跡にとらわれない個性ある将棋を指し、タイトルホルダーになりたい」と抱負を語った。山崎隆之八段(39)との対戦を希望している。

谷合は、午前中に勝って決めた。26歳の誕生日までに四段にならなければ退会という年齢制限ギリギリでの昇段。師匠の中座真七段(50)と同じだ。今回は連敗スタートだったが、師匠から「君なら上がれる」と背中を押してもらった。

現在、東大大学院情報理工学系研究科で、AIを使った車の自動運転支援の研究もしている。「三段リーグに8年半と人生の約3分の1を費やした。大学院在学中という特殊な立場を生かして、自分にしかできないことを探りながら将棋界に貢献したい」と話した。

初の女性棋士を目指した西山朋佳(24)はこの日連勝し、14勝4敗と同星で並んだ。今回の順位が24位と下位のため、上位2人が昇段という規定により、次点に終わった。次点は女性棋士として初めて。「また頑張ります」と言い残して、対局場をあとにした。

その西山に谷合は、「西山さんなら昇段できると信じている」と、エールを送っていた。【赤塚辰浩】