藤井七段に意表つかれた渡辺3冠「分からなかった」

第91期棋聖戦5番勝負第1局に臨んだ渡辺明棋聖(左)、藤井聡太七段(日本将棋連盟提供)

将棋の藤井聡太七段が8日、17歳10カ月20日のタイトル戦史上最年少挑戦記録を白星で飾った。東京・千駄ケ谷で行われた、第91期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第1局で、渡辺明棋聖(棋王・王将=36)を下した。屋敷伸之九段(48)が1990年(平2)に達成した18歳6カ月という初タイトル獲得最年少記録の更新に向け、好スタートを決めた。第2局は今月28日、同所で行われる。

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渡辺が、意表を突かれた。先手藤井から、自身が得意とする矢倉に誘導された。終盤、混戦に持ち込んだが「いろいろとあって分からなかった」と首をひねった。約1年4カ月ぶりの再戦でも黒星を喫した渡辺は、10日から2日制で行われる名人戦7盤勝負第1局(三重県鳥羽市「戸田家」)にも登場し、豊島将之名人に挑戦する。本来なら4月8、9日の予定から約2カ月延期されての初戦。初防衛を目指す棋聖戦と掛け持ちになるが「2局目からは手番(渡辺は先手)が決まっているので、より準備をして臨みたい」と、気持ちを切り替えていた。