新型コロナウイルス感染拡大の経済対策として国が1人10万円を一律支給する「特別定額給付金」で、都市部を中心に申請率が100%未満の自治体が出ていることが26日までに明らかになった。きょう27日に申請締め切りの東京・世田谷区は1万2278世帯が未申請(24日時点)で、すべて単身世帯としても12億円以上が未支給となりかねない。総務省、自治体では期日中の申請を呼びかけている。
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「特別定額給付金」の申請期限が迫る自治体の担当職員は「特別な夏」を迎えている。東京都内で最多の49万2477世帯を抱える世田谷区は、きょう27日に郵送申請の締め切り(消印有効)となる。同区では5月から専属職員が20人態勢で対応を続け、24日までに48万199世帯が申請したが、申請率97・5%。2・5%の世帯は未申請のままだ。
未申請が、すべて単身世帯として総額12億2780万円。駆け込み申請を見込んでも約12億円が宙に浮く可能性が出てきた。世田谷区では7月下旬に約3万5000件の勧奨通知を未申請者に発送するなど申請をうながしたが「何度連絡してもつながらない方も少なくない」と、担当者は頭を悩ませている。
世田谷区に次ぐ、東京第2位の人口がある練馬区は14日に申請を締め切った。対象38万1717世帯中、約36万9000世帯が申請し、申請率は約96・4%。「申請不備などがあり、正確な数字は9月中旬ごろ」(担当者)とするが、未申請が単身世帯としても約13億7410万円が未払いとなる可能性がある。18日に締め切った中野区も約21万世帯が申請も、申請率は約96%。お盆休み明けに駆け込み申請が急増し、「郵送書類を直接、区役所に持参した人が1日100人ほどいた。若い世代の単身者に未申請者が多い」と、担当者は分析している。
総務省は21日までに総世帯の98・6%に当たる約5826万世帯に給付を終えたことを25日、発表した。予算額12兆7344億1400万円の98・5%に当たる約12兆5500億円が給付されたことになるが、仮に1%が未申請となれば、約1273億円の支給金が未払いとなる。総務省や自治体ではホームページなどで申請を呼びかけている。
給付金10万円が買い物や飲食などの消費に回れば、コロナ禍で疲弊した経済のカンフル剤となる。東京都内でも31日が締め切りの新宿、豊島区などまだ申請が間に合う自治体がある。コロナ禍経済を活性化させるチャンスでもあります。申請、忘れていませんか?【大上悟】
◆特別定額給付金 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策として国が1人10万円を支給する。受給対象者は4月27日を基準日として住民基本台帳に記録されている人。受給対象者が属する世帯の世帯主が申請を行う。4月下旬からマイナンバーカードによるオンライン申請、その後に郵送申請がスタートした。郵送申請の締め切りなどは各自治体で異なるため、問い合わせは各自治体ホームページ、特別定額給付金担当コールセンターなどへ。
◆主な自治体の申請期限 横浜市9月10日、川崎市8月31日、さいたま市8月31日、千葉市8月31日、前橋市8月28日、宇都宮市8月31日、名古屋市9月1日、京都市9月15日、福岡市8月31日。申請が終了している主な自治体は札幌市8月25日、仙台市8月26日、大阪市8月25日。
◆詐欺警告 特別定額給付金の申請を巡る詐欺が全国で発生している。「オンライン(郵送)申請の代行をする」「申請には特別な手続き、手数料が必要」などと持ち掛ける電話やメールがあり、消費者庁や国民生活センターに問い合わせや相談が相次いでいる。総務省はホームページで「市区町村や総務省などが以下を行うことは絶対にありません! 現金自動預払機(ATM)の操作をお願いすること。受給にあたり、手数料の振り込みを求めること。メールを送り、URLをクリックして申請手続きを求めること」と注意喚起を行っている。