森会長発言、ボランティア辞退続出に担当者「驚き」

東京オリンピック(五輪)・パラリンピックのボランティアにも、大会組織委員会の森喜朗会長発言の悪影響が波及した。

東京都のオリンピック・パラリンピック準備局に、ボランティアの参加辞退を申し出る連絡が、5日正午までに14件届いた。都の担当者は「1件の申し込みが、家族やグループ単位の方もいらっしゃるので、14件は14人ではなく、人数で言えばもっと多い」。反響の大きさには「4日の朝から2日間で、この数は驚きです」と、戸惑いを隠せなかった。

同局には抗議の電話やメールも542件届き、電話が鳴りやまない時間帯もあった。「森会長の発言の批判だけでなく『オリンピック憲章に反する』ですとか『女性差別だ』とか、強い口調の方もいらっしゃった」と同担当者は説明した。

東京都の都市ボランティア登録者は、昨年8月時点で3万486人。都内の主要鉄道駅や試合会場最寄り駅での案内や誘導、羽田空港や観光地でのサポートなど仕事は多岐にわたるが、「おもてなし」の心を持った献身的なボランティア精神をも裏切る結果となった。今後は「コロナの感染予防対策を含めて、安心安全にご参加いただける案内をしていきたい」。参加者の不安要素を少しでも取り除いていく。【鎌田直秀】