古賀稔彦さん母校で写真納めたペンダントつけ「志持って」佐賀聖火リレー

東京五輪の聖火リレーは10日、佐賀県で2日目を迎えた。3月にがんで亡くなった柔道家の古賀稔彦さん(享年53)の故郷、みやき町を走った。母愛子さんは古賀さんの写真を持ち、リレーを見守った。

ランナーを務めたのは、佐賀みやきひょっとこ会の寺田恭夫さん(76)。寺田さんは古賀さんの母校の小学校を笑顔で1周。観客に声援を送られながら軽快に走った。寺田さんは銀色のペンダントを身に着けていた。「古賀さんの志と思い持って一緒に走りました」。中には92年バルセロナ五輪で金メダルを獲得した古賀さんの写真が納められていた。

寺田さんは昨月、古賀さんの実家に弔問した。その際に愛子さんに「写真を持って走りたい」と伝え、愛子さんからペンダントを預かった。ふるさと大使を務めていた古賀さんとは、さまざまな社会福祉のボランティアを通じて親交があった。「古賀さんはこの町のメインの方ですから。すごい努力家の人でした」と振り返った。その上で「古賀さんには、無事に走り終えることができましたと伝えたいです」と話した。【沢田直人】

◆10日の聖火リレー 佐賀県で2日目を迎えた。基山町からスタート。吉野ケ里遺跡で知られる吉野ケ里町・神埼市などを巡り、佐賀市でゴールした。J1サガン鳥栖FW豊田陽平、聖火トーチをデザインした佐賀市出身の吉岡徳仁氏がランナーを務めた。11日、12日は福岡県に入るが公道でのリレーは中止する。11日は福岡市の平和台陸上競技場、北九州市の関門海峡ミュージアムイベント広場で、無観客で点火セレモニーを行う。