小池知事「工夫しながら運営」代々木公園などパブリックビューイング計画

臨時の会見を開く小池百合子知事(撮影・沢田直人)

東京都などが東京オリンピック・パラリンピック期間中、渋谷区の都立代々木公園などでパブリックビューイング(PV)会場設置を計画していることについて、小池百合子都知事は28日の会見で「まずコロナ対策、その上で来場者数をどうするか、事前申込制にするなど、いろんな工夫をしながら、この運営につながってくる」などと説明した。

計画は「東京2020ライブサイト」といい、各方面から批判が強まっている。計画では、組織委と共催で、代々木公園と都立井の頭恩賜公園に大規模なPV会場を設置。公式グッズ販売、飲食などのブースを設け、ステージイベントの実施も予定している。東日本大震災などの被災地でもPVを計画。都としてはほかに都立日比谷公園などでも予定する。

設置工事が6月1日に代々木公園を皮切りに始まるのを前に、準備として今月24、25日に工事車両の通行に支障がある樹木36本の剪定(せんてい)作業が行われた。代々木公園内の会場予定地は、緊急事態宣言に伴い4月から立ち入り禁止措置が続いていた中央広場エリアでもある。

不要不急の外出自粛、密を避けることなどを求めている都が、一方で人を集める場所をつくろうとしていることに対して、ダブルスタンダードなどとの反発が広がっている。代々木公園の会場設置に反対するオンラインの署名活動は、10万筆を超えた。

例えば代々木公園では1日3万5000人の来場を予定していたが、都は、密集を避けるため、ディスタンスに配慮したレイアウト、事前申込制の導入、観覧席削減などの対策を検討しているという。都の担当者は28日の都議会文教委員会でもPV計画について問われ、会場内での飲食提供については「アルコール飲料の販売は予定していない。パートナー企業とは調整中」と答えた。またステージイベントの内容については「東京の伝統文化の魅力発信などを想定している」などと説明していた。