提言受け百貨店「デパ地下」感染対策強化開始、入場制限や滞留状況開示など

入り口と出口を完全に分離して営業する伊勢丹新宿店の本館正面(撮影・鎌田直秀)

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大手百貨店各社は14日、「デパ地下」と呼ばれる食品売り場で、感染防止対策の強化を始めた。7月末以降、食品売り場などでクラスターが発生し、従業員らの感染者が急増。12日に政府コロナ分科会の尾身茂会長から「人流5割減」とともに、もっとも混雑する食品フロア人流抑制の提言を受けていた。

三越伊勢丹では首都圏5店舗で入場制限などを実施。入り口と出口を分け、1階から地下1階食品エリアへのエスカレーターも一部封鎖して入り口を減らした。入り口では来店客数カウンターと係員の目視で店内の人数を確認する。都の指針である人と人の間の距離1・8メートルの確保を前提に、担当者が入場客ストップの決断を下す。

伊勢丹新宿店の広報担当者は「今年7月とコロナがなかった2年前の7月を比較しても、お客さまの数は6割程度に減っています。尾身会長の提言を受けて、本日もお客さまの足は弱まっていると感じています」。検温や手指消毒に加え、従業員には不織布マスクの着用や従業員施設の座席間隔の確保なども徹底した。

来店客の50代夫婦は「お盆中に出掛けないかわりに、車で来られるデパ地下でちょっとぜいたくに購入して、おうち時間を楽しもうと思った」。70代女性も「若い子の多い新宿は怖いかなと思ったが、入場制限をするということだったので少しは安心かと。思った以上に対策されている感じ」と買い物袋を下げ、笑顔で帰路についた。

大丸松坂屋では各店舗ごとに滞留顧客数の上限を設定して入店制限を実施。店内のモニターでも滞留状況を開示した。そごう・西武では「買い物かご除菌機」を全店で設置するなど、各百貨店が工夫を凝らしていた。【鎌田直秀】