菅義偉首相は1日午前、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)を先送りし、今月中旬にも衆院解散に踏み切る可能性を否定した。菅首相は週明けにも二階俊博幹事長の交代などの党役員人事に着手し、衆院解散も決断するという観測が広がっていたが、「最優先は新型コロナ対策だ、と申し上げてきた。今のような厳しい状況では解散できる状況ではない」とした。総裁選についても「日程は党の方で決められている」と予定通りの実施を強調した。
この日、菅首相は小泉進次郎環境相と官邸で約30分間にわたり会談した。菅首相は8月31日夜に小泉氏から「解散をして総裁選を先送りすれば、首相も自民党も終わる」と伝えられていたことを政府関係者が明らかにした。総裁選先送りを一部で報じられたことに反応した小泉氏と、党内人事など含めた今後の対応を話し合ったとみられている。
衆院議員の任期満了(10月21日)に伴う衆院選を行い、総裁選を先送りする案は官邸関係者による観測気球ともされている。加藤勝信官房長官は記者会見で、「少なくとも今の時点においては厳しい状況だ」と、菅首相同様に衆院解散の前倒しに否定的な見解を示した。だが、「可能性はゼロではない」とする政界関係者もおり、中旬の衆院解散説は、くすぶっている。
次期幹事長候補には石破茂元幹事長の名前も挙がっている。現時点で総裁選出馬は「白紙」を貫く石破氏だが、党員・党友の支持は高く、動向が注目される。菅首相の再選を支持する安倍晋三前首相は、石破氏の次期幹事長の可能性を問われ、首をかしげたが言及は避けた。政局は流動的で不透明感を増している。