【衆院選】小沢一郎氏、初当選以来52年ぶりの地元岩手第一声「大変厳しい」

52年ぶりに公示日に選挙区に入った小沢一郎氏 右は「4期目に挑む38歳」と若さを強調する藤原崇氏(ともに撮影・中嶋文明)

令和初となる第49回衆院選が19日、公示され、31日の投開票に向けて12日間の選挙戦が始まった。選挙区289、比例176の計465議席を巡り、1051人が届け出を終え、210を超える小選挙区で、自公の与党と野党共闘陣営が激突する。激しい選挙戦に、現役最多の当選17回、議員生活52年の立憲民主党の小沢一郎氏(79)も初当選時以来52年ぶりに地元岩手3区で公示日を迎え、第一声を上げた。

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公示日を地元で迎えるのは27歳で初当選した1969年(昭44)以来、52年ぶりかどうかは、小沢氏自身は「分からない」と言う。ただ、後援会幹部らは「初出馬のとき以来」と話し、「厳しい選挙であり、熱い思いがあるのだと思う」とその心中を推し量った。

水沢(奥州市)の商業施設前での第一声。「今までにないような大変厳しい選挙を迎えていると認識している」と明かす小沢氏は10分間のあいさつで、3度も「大変厳しい選挙戦」と口にした。相手は4度目の対決となる41歳年下の自民党の藤原崇氏(38)。過去3回、1万7000~3万3000票差で下してきたが、藤原氏は比例で復活し、当選回数を重ねた。今は県連会長となって、岩手県連としては初めて文書で公明党と選挙協力で合意。街頭の会場には公明党ののぼりが立ち、「4期目に挑む38歳」として若さとともに、「選挙区は藤原崇、比例は公明」を自公協力を前面に打ち出した戦いを挑んでいる。

小沢氏は「希望の党」を巡るドタバタで、初めて無所属での出馬となった17年の総選挙でも公示4日目に異例の地元入りをしている。ただ、あいさつ回りだけで街頭に立つことはなかった。しかし、この日は街頭に立っただけでなく、選挙カーに乗り込み、「小沢一郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします」とマイクを握り、水沢、一関、北上、花巻を回った。

「私も年を取りました」と漏らす場面もあったが、自らを奮い立たせるかのように「バイデン大統領は年齢も議員生活も私と全く同じなんです」とも語った。今日20日から厳しい戦いを強いられている全国の仲間の応援に回る。陣営は「未定」というが、来週には再び岩手3区に入る意向だ。18回目の選挙。当選すると、犬養毅に並び歴代5位タイになる。【中嶋文明】