岸田内閣の目玉政策「一律10万円」を維新、れいわが批判「どこまでケチや」

議員バッジを着けたれいわ新選組の山本太郎代表(撮影・沢田直人)

岸田文雄首相は10日、第206特別国会で第101代首相に選出された。この日発足した第2次岸田内閣で初の目玉政策となる「18歳以下の子どもに一律10万円相当給付」について、衆院選で野党第2党に議席を伸ばした日本維新の会や、れいわ新選組の山本太郎代表が厳しく批判した。

岸田氏と、公明党の山口那津男代表は10日、新型コロナウイルス経済対策として、18歳以下の子どもに現金5万円と、5万円相当のクーポン券を支給し、子ども2人世帯で年収960万円以上を対象外とする所得制限の導入で合意した。共働き世帯の場合、夫婦いずれかの収入の高い方で判断する。夜の会見では「厳しい経済状況にある学生にも就学継続のため10万円の緊急給付金を支給する」と明言した。

10万円相当給付をめぐっては、衆院選で公明党が「18歳以下の子どもに一律10万円相当を給付する」と公約を掲げ、実現を求めていた。「バラマキ」批判の声が広がる中、自民党は所得制限を主張。与党間で足並みが乱れたが、自民党は年内に現金5万円の先行給付を開始し、来春までに子育て関連に使える5万円相当のクーポンを支給し、年収960万円の所得制限導入で、折り合いをつけた形。

衆院選で躍進した維新の馬場伸幸幹事長は、立憲民主党、共産党などを「オールド野党」と称し、国民民主党との協力も進める維新を「ニュー野党」と存在感を強調した上で、10万円相当給付について「見方によっては、選挙のお礼をしているかのようにも見えます」と皮肉を込めた。

馬場氏は「子供がいらっしゃる世帯の20%が1000万以上の収入(年収)であるというデータも出ている」とした上で「子供のための給付なのかどうか非常に疑問。今回は困っていないところにも給付をすることになる」と批判した。

衆院選で当選し、議員として登院したれいわ新選組の山本代表はさらに手厳しい。「人々の生活がどうなっているか分かっていない。貴族的な発想」と斬り捨てた。「一律給付、区別をつけずに一斉に大至急。来年春をめどにだ、とか眠たいこと言っている場合じゃない。大急ぎなんです。論外です」と断言。「10万円を現金とクーポンに分けるのは全く筋違い。意味不明」として「どこまでケチやねん」とバッサリと切ってみせた。【大上悟】