19年に最高額3・3億円超落札/マグロ初競りメモ

21年1月5日午前5時、初競りの豊洲市場。マグロ大物生鮮のコーナーには近海で釣れた生のクロマグロが並んだ

東京・豊洲市場で5日早朝、今年最初の取引となる「初競り」が開かれた。

<マグロ初競りメモ>

◇21年 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な状況になる中、東京・豊洲の東京中央卸売市場で初競りが行われた。青森・大間で釣れた208・4キロのクロマグロが1キロ当たり10万円で入札され、1匹総額で2084万円で取引された。1匹で億単位となる取引はなく、「妥当なご祝儀相場」で落ち着いた。競り落としたのは、仲卸「やま幸(やまゆき)」だった。不要不急の外出を控える波が市場を包み込み、一般の競り場は人気はなくガラガラだった。

◇20年 276キロの青森・大間産クロマグロが1億9320万円で落札された。19年に続き「すしざんまい」を運営する喜代村(東京)が落札。価格は記録が残る1999年以降、一昨年の3億3360万円(大間産クロマグロ)には及ばなかったが、史上2番目の「ご祝儀価格」となった。

◇19年 築地市場から移転後初めての初競りで青森県大間産クロマグロが3億3360万円の最高額で落札された。すしチェーン「すしざんまい」が落札した。

◇18年 築地最後の初競り。青森・大間産の405キロのクロマグロが3645万円(1キロ9万円)で落札された。落札したのは都内の仲卸業者「やま幸」。12年から6年連続で1匹のマグロの最高額を落札していたすしチェーン「すしざんまい」は7連覇を逃した。(※同年「すしざんまい」は190キロの大間産を3040万円で落札。1キロ当たりの単価は16万円で「キロ単価」なら、この日の「一番マグロ」だった)

◇17年 青森・大間産の212キロのクロマグロ。寿しチェーン「すしざんまい」を展開するつきじ喜代村が史上2番目の高値となる7420万円で競り落とした。同チェーンは6年連続での最高値落札。

◇16年 青森・大間産の体長約2メートル、200キロのクロマグロ。寿しチェーン「すしざんまい」を展開するつきじ喜代村が1キロ7万円の値をつけ、1400万円で落とした。同社の木村清社長は「いいマグロです。脂の乗り、味、形、全て最高!」と上機嫌だった。

◇15年 180・4キロの青森県大間産クロマグロが451万円(1キロ当たり2万5000円)の最高値で競り落とされた。落札したのはすしチェーン「すしざんまい」を運営する喜代村(東京)。喜代村の木村清社長は「今年はマグロの量が多かった。もうちょっと値段が出ても良かったかなと思った」と話した。落札したマグロは切り分けて全国の店舗で提供するという。市場関係者は「例年の初競りの最高値より若干低く、妥当な額。13年は異常に競争が過熱した。あんなことはもうないのではないか」とした。

◇14年 クロマグロの1匹最高値が736万円(青森県大間産230キロ)で取引された。購入したのは、寿司チェーン「すしざんまい」を展開するつきじ喜代村で3年連続の最高値の落札となった。他のライバル店などが落札レースに参加しなかったため、高騰せずに初競りは安定した。

◇13年 222キロの青森県大間産クロマグロが、1億5540万円(1キロ当たり70万円)で競り落とされた。これまで最も高かった12年の5649万円(同21万円、269キロ)の3倍近くとなり、記録のある1999年以降、最高値となった。競り勝ったのは、2年連続ですしチェーン「すしざんまい」運営の喜代村(東京)。

◇12年 1本269キロの青森県大間産クロマグロが5649万円(1キロ当たり21万円)で競り落とされた。落札したのはすしチェーン「すしざんまい」運営の喜代村(東京)。

◇11年 342キロの北海道戸井産クロマグロが1本3249万円(1キロ当たり9万5000円)の高値で競り落とされた。記録の残る1999年以降では、2001年の1本2020万円を大幅に上回る最高値。産地はこれまで一本釣りで有名な青森県大間産の指定席だったが、初めて北海道戸井産に明け渡した。香港のすしチェーン「板前寿司」と銀座の有名すし店「久兵衛」が共同購入し、半分ずつ分け合った。

◇10年 青森・大間産のクロマグロが1628万円(232・6キロ)で競り落とされた。競り落としたのは仲卸業者の「やま幸」で、東京・銀座の老舗すし店「久兵衛」が香港のすしチェーン店と共同購入した。

◇09年 青森県大間産の生鮮クロマグロで1本963万円(1キロ当たり7万5000円)。重量は128・4キロ。

◇08年 最高値は276キロの青森県大間産クロマグロで、1本607万2000円(1キロ当たり2万2000円)。