【水島新司さん死去】ちばてつやさんも尊敬「私は野球を描けなくなった」

ちばてつやさん(2008年3月撮影)

「ドカベン」「野球狂の詩」「あぶさん」などの野球漫画で知られる、漫画家の水島新司さんが10日、肺炎のため都内の病院で亡くなった。82歳だった。水島プロダクションが17日、発表した。葬儀は家族葬で執り行った。

漫画家のちばてつや氏が同日、自身の公式サイトで追悼コメントを発表した。ちば氏は「昔から同じスポーツを題材にしたマンガを描いてきた同士で同じ世代、実生活でも草野球仲間でライバルの水島新司さんが亡くなってしまった」と書き出し、「彼は私とはかなり違ったスタンスで、ほとんど野球マンガひと筋に描き続けてきたんだ。元々野球マンガはピッチャーとキャッチャーにライバル、というヒーローものが定番だったが、彼の手にかかるとチームの9人一人ひとりの個性、それどころか監督や控え選手などを含むベンチワークまで綿密に描ききり、プロ野球選手を唸らせるほど専門的な目線で野球の『可能性』と『面白さ』を探り続けてきたと思う」と水島さんの作品について言及。

その上で「水島さん、そんなあなたのすぐれた野球マンガの出現で、私は野球を描けなくなりましたよ。以前から約束していて、近々楽しみにしていたキャッチボールの相手が居なくなってショックだし本当に寂しいけど、そういう私も現在は闘病中。まずは長い間本当にお疲れ様でした。先に行って今は安らかにお休み下さい。合掌」と悼んだ。ちばさんも昨年11月に「夏以後、ちょっと体調をくずしてしまいました」と報告。「心臓の弁と、冠動脈、そして喉などにも次々異常が見つかり、数日前から東京の病院に入院しています」と明かしており、1月4日には仮退院したとブログでつづっていた。