岸田文雄首相は14日、参院予算委員会で審議されている2022年度の当初予算案に、ウクライナへ軍事侵攻しているロシアへの経済協力を含む事業として、約21億円が盛り込まれていることを野党から追及されたが「今のこの状況で予算の修正は考えていない」と否定した。その上で「(経済協力に携わる)日本企業に対する情報提供など、さまざまな支援も、この21億円の中に入っている。状況の変化の中で、日本企業をどう支えていくのか。我が国のエネルギー安全保障にかかわる予算もある。人道的な支援も、この中に加わっている」などと釈明した。
ロシアへの経済協力を含む事業8項目のプランは16年に安倍晋三元首相が、ロシアのプーチン大統領に提案したもので石油、ガス等のエネルギー開発協力以外にロシア産業の多様化促進と生産性向上や、日露の知恵を結集した先端技術協力などが含まれている。
立憲民主党の森裕子氏から「全然、明快じゃない。絶対、許しちゃいけないようなプーチン大統領の行動にノーだと、国際社会が一致団結してノーだと言っている時に、何が日露経済協力? 8項目のプランなんですか。止めるべきですよ、この予算」などと厳しく批判を受けた。岸田首相は「この予算の取り扱いについては状況が不透明である」とした上で「たちまち、これを修正することはできない」と重ねて釈明した。
森氏から「制裁は返り血もあるんですよ」と指摘があったことに対し、与党側からヤジが発せられたことに野党側も反発して一時、質疑はストップ。22年度予算案は衆院を自公、国民民主党の賛成多数で可決通過した。対ロ制裁の発動と経済協力がセットという矛盾とも受け取られかねない。森氏から「真剣に、この戦争を止めるために制裁をやるんでしょう? まったく逆の予算を我々は審議させられている。国際社会が疑いの目をもって見られる。大転換をすべきだと求めます」と訴えられた。【大上悟】