神奈川県の東名高速で17年6月、ワゴン車があおり運転を受けて一家4人が死傷した事故で、危険運転致死傷罪に問われた石橋和歩被告の差し戻し裁判員裁判が16日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で開かれた。被害者夫妻の長女と、石橋被告の車に同乗していた元交際相手の女性の証人尋問がやり直された。
長女は石橋被告の弁護人から事故当時の状況を聞かれ「事故の前に(被告の乗った車に)4回前に入られた。相手の車が先に止まったから、自分たちの車も止まった」などと証言した。弁護人が「前回は覚えていないと話していた」と、18年の1回目の裁判と証言の一部が変わっていると指摘したが、長女は「より詳しく話した方がいいと思った」と話した。
女性は、石橋被告と長女の父親が車を降りた後のことについて「(石橋被告が長女の父親の)胸ぐらを両手でつかみ引っ張ったりしていました」と話した。弁護人が「(以前は)『引っ張ったりしていない』と答えていたが、正反対の記憶に変わったのか」と質問すると、女性は「はい」と答えた。検察側から今回の事故を思い出すことについて問われると「不安で怖かった」と話し、その上で「検察官と打ち合わせをする中で最終的に思い出すことができた」と語った。
石橋被告を巡っては、横浜地裁が18年12月、懲役18年の判決を下した。しかし、東京高裁が19年12月、横浜地裁が危険運転致死傷罪の成立を認めたのは「被告や弁護人に対する不意打ち」で、違法な訴訟手続きだとして、判決を破棄。裁判のやり直しを命じる判決を言い渡した。【沢田直人】