ロンドン五輪金の水泳選手、ロシアへ衝撃の抗議活動 赤に染めた露大使館前の池で泳ぐ動画を投稿

ロシア・プーチン大統領(2018年6月撮影)

2012年ロンドンオリンピック(五輪)競泳女子100メートル平泳ぎで金メダルを獲得したルタ・メイルティティ(25=リトアニア)が、ロシアによるウクライナ侵攻に抗議するため、真っ赤に染めた池で泳ぐ衝撃の抗議活動を行ったと複数の欧米メディアが伝えている。メイルティティは6日、「このパフォーマンスはロシアによる大量虐殺に苦しむウクライナの人びとを支援するための行動を呼びかけるものです」とコメントを添え、血を連想させる真っ赤に染まったリトアニアにあるロシア大使館前の池で泳ぐ動画を自身のSNSに投稿した。映像にはドローによる空撮もあり、真っ赤な池の横の道には「プーチン、ハーグ(オランダ・ハーグに本拠地を置く国際刑事裁判所)はあなたを待っている」というメッセージが記されているのも確認できる。

大使館がある首都ビルニュスの警察によると、抗議活動は環境保護当局と調整して行ったもので、染料は無害で環境にやさしいものが使われているという。「抗議はロシアの戦争犯罪に世界の注目を集めるための芸術的なパフォーマンスである」と同市の広報担当者は説明している。ウクライナと国境を接するポーランドやベラルーシと隣接するリトアニアにも、2月24日に侵攻が始まって以降多くの難民が押し寄せている。

女子平泳ぎ100メートルでは史上最年少となる15歳で金メダルを獲得したメルティティは、19年に一度は競技からの引退を表明したものの、昨夏に復帰を果たしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)