参院選(7月10日投開票)公示前日の21日、日本記者クラブ主催の「9党党首討論会」が行われ、物価高や円安などの経済問題や憲法9条改正だけなく、各党首の立場や去就などにも質問が飛んだ。2部構成の第1部では各党首が他党首を指名して質問。1人2回ずつ機会が与えられたが、野党7党首の“口撃”はすべて岸田文雄首相(自民党総裁)に集中した。
第2部はクラブの代表による質疑応答。岸田首相は党内に元首相が多くいる状況を「同情するのは、安倍(晋三)さんの場合、いろいろな形で注文があって大変じゃないかと。どう対応しているのか、ぜひ本音で」と質問され苦笑い。「党内にいろいろな議論があり、私も意見を承っております。最後に結論を出さなければならない。結論が出たら一致結束してまとまっていくのが良き伝統。最後、決めていかなければならないのが総裁の立場」と述べ、ニヤリとした。
来春の大阪市長の任期満了で政界引退を表明している日本維新の会の松井一郎代表は「(次の代表は)やっぱり吉村(洋文大阪府知事)さん?」と聞かれ、「いやいや、それは我が党の中で議論して決める。僕は自民党にピリッとしてもらうために、最後の戦いで横綱に挑みたい」と“金星”への意気込みを示した。野党第1党としての低い支持率を指摘された立憲民主党の泉健太代表は「ピリッとさせるだけではいけない。政権交代」と続けた。
22年度の予算に賛成した国民民主党の玉木雄一郎代表は「参院選後には自公連立政権に加わるのか?」と直球で“内角”をつかれ、「我々はとにかく政策本位。与党の皆様にも協力してもらって、いくつかの政策を実現することが出来たのですが…」と明言を避けた。公明党の山口那津男代表は今秋の7期目任期満了で退任する可能性を問われ「後継者は常に育てていかなければならないが、決めるのは私ではない」。20年以上トップを務めている共産党の志位和夫委員長も「野党共闘は途上にある」と進退は言及しなかった。
れいわ新選組の山本太郎代表は、衆院議員を約半年で辞職して参院選に立候補することに「有権者の票の重みをどう考えているのか?」と意見を求められ、「参院選に受かったら任期通りやらせていただきます。これまでさまざまな鞍替えがありましたが、それに対して批判されましたか?」と逆質問で応戦した。NHK党の立花孝志党首も「党が出来た時ほどの注目度がなくなっているのでは」と伝えられると、「今回は2人、3人(の当選)まで自信がございます。明日(22日)夜あげるユーチューブにあっと驚く“爆弾”が用意されております」。得票率2%を下回って政党要件を失う危機もある社民党の福島瑞穂党首も「憲法改正を阻止するためにも(国会に)いなくてはならないし」と意気込んだ。【鎌田直秀】