プーチン氏側近、爆死した娘の葬儀で訴え「最高の代償は勝利によってのみ正当化される」

ロシア・プーチン大統領(2018年6月撮影)

ロシアの首都モスクワ郊外で運転していた車に仕掛けられた爆弾が爆発して死亡したロシア強硬派の国家主義思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘ダリアさんの葬儀が23日、モスクワで営まれ、数百人が参列した。

テレビのコメンテーターで、プーチン大統領の忠実な支持者であるダリアさんは、20日に父とともに参加したイベントからの帰宅途中、自動車爆発によって死亡した。ドゥーギン氏は直前に別の車に乗ることになったと伝えられており、長年にわたってロシアによるウクライナ併合を提唱し、プーチン大統領に近いとされるドゥーギン氏が標的だった可能性が高く、ロシアはウクライナの情報機関による犯行だと非難している。

オスタンキノ・テクニカル・テレビセンターで行われた葬儀では、赤いバラと白いユリの大きな花輪に囲まれた棺の横にドゥーギン氏夫妻が座り、参列者たちは棺に赤いバラやカーネーションを供え、最後のお別れを行ったという。

ドゥーギン氏は涙をこらえながら、最後の会話で「自分はヒーローで、戦士のように感じており、それが自分がなりたいもの」だとダリアさんが話していたことを明かし、「娘は最前線でロシアのために命を落とした。この究極の犠牲、私たちが支払う最高の代償は勝利によってのみ正当化される」とあいさつ。「最前線はここにある。娘は勝利のために生き、勝利の名のもとに死んだ」とも語っていたと、英サン紙が伝えている。

事件を巡っては、ロシア連邦保安局(FSB)が、ウクライナ人の女が実行犯で犯行後に車で隣国エストアニアに逃亡したと発表し、容疑者はロシアがテロリスト組織に指定している「アゾフ連隊」のメンバーだと主張。だが、ロシアの元議員で現在はウクライナで亡命生活を送っている反体制派のイリヤ・ポノマレフ氏はロシア国内の反プーチン勢力「国民共和国軍(NRA)」による犯行だと指摘。NRAから届いたという犯行声明を自身の反体制テレビチャンネルで発表し、ダリアさんと父ドゥーギン氏の両者が標的だったと語っている。

ドゥーギン氏は「プーチンの頭脳」と呼ばれ、プーチン大統領のウクライナ侵攻に影響を与えたとの見方もあり、国内では報復を叫ぶ声が高まっている。24日は旧ソ連からの独立記念日となるウクライナでは、政府施設や民間人を狙った攻撃を激化させるとの情報もあり、米政府は米国民に対して即時の国外退去を呼びかけている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)