ウクライナは24日、ロシアの侵攻から半年の節目と重なる独立記念日を迎えた。ゼレンスキー大統領はビデオ声明を発表し、ロシアが14年に強制編入したクリミア半島と、大半を実効支配される東部ドンバス地域について、ウクライナ領であり「どんな手段を使っても取り戻す」と宣言した。当局は、全土に空襲警報を一時出した。戦線は膠着(こうちゃく)状態。多くの国民は戦闘継続を支持し、米欧の軍事支援による打開を期待するが、長期の消耗戦は不可避な情勢だ。
ゼレンスキー氏は、領土に関して、妥協せず「最後まで戦い抜く」と断言。23日、クリミア返還を目指す国際枠組みの首脳会合の演説でも「クリミアに始まったロシアの侵攻は、クリミアに終わる」と訴えた。
節目を迎え、各地では緊張が高まった。首都キーウ(キエフ)では24日、攻撃の標的にならないよう祝賀行事や大規模集会が禁止され、治安要員が警戒を強化。中心部には青と黄の国旗がはためき、軍事パレードの代わりに、壊れた戦車などロシア軍が各地に残した装備品が展示された。在ウクライナ米大使館は24日までに、ウクライナにとどまる米国民に即座に国外退避するよう勧告した。ロシアによる民間インフラや政府施設への攻撃が近く激化するとの情報があるとし、「治安情勢は極めて不安定」などと指摘した。
原発をめぐる危機感も強まっている。国際原子力機関は23日、南部にあり、ロシア軍が占拠した欧州最大のザポロジエ原発が20日と21日に砲撃され、研究所や化学施設が損傷したとの報告をウクライナ側から受けたと発表。深刻な危険が生じているとした。22日には同原発から約4キロの火力発電所が砲撃された。ウクライナ側は変電施設が損傷し、原発への送電線が数時間、断絶したとした。
バイデン米大統領は24日、ウクライナへ29億8000万ドル(約4100億円)分の追加軍事支援を実施すると発表した。侵攻後、米国が1回に発表する軍事支援額としては最大という。