パンダにも負けないウチの“推し”!首都圏の動物園が魅力たっぷりの動物紹介

ズーラシアでは20年秋から村田園長の写真展が恒例になっている

<情報最前線:ニュースの街から>

10月28日、ジャイアントパンダが中国から日本に到来してちょうど50年となった。東京・上野の街はパンダだらけになり、白黒柄で盛り上がった。でも、日本国内には魅力的な動物園がいっぱいあって、興味深い動物もわんさかいる。そこで、首都圏の動物園の園長や飼育員、広報担当者に「ウチの推し動物」をこっそり教えてもらった。さあ、動物園に行こう!【寺沢卓】

    ◇    ◇    ◇

よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区)の村田浩一園長(70)は2020年から毎秋イベントの主役になっている。

撮りためた写真をパネルにして公開している。今年は今月28日までアマゾンセンターで「村田園長のとっておき写真展」と題してグラントシマウマやインドゾウなどの写真が展示されている。

村田園長は獣医師でもあり、獣医学的な記録の一環で動物の写真撮影は日課としていた。そこに目をつけたイベント企画担当から「写真展をやりましょう」と持ちかけられた。

村田園長は「狙っていい瞬間は撮れません。ほとんど偶然ですよ」とほほえんで「肉眼では確認できなかった動物の表情をカメラがおさえている場合がある。双眼鏡などを携行されるのもいい」と来園者にカメラや双眼鏡の持参を勧める。

見どころは展示している動物だけじゃない。「園内に池があるのですが、春になると野生のアカガエルが産卵する。ずっとオタマジャクシとカエルを観察する子どももいますね」と話して「いろんな生き物に興味を示す。それでいいんですよ」と村田園長は説明した。

◆埼玉県こども動物自然公園 クオッカ ビビ(メス、5歳)

今年3月に子どもを産んだばかり。子どもはチャチャ(オス)。豪州にしかいないカンガルーの仲間。現在、世界の動物園で豪州以外での展示例はここだけ。約1万2000頭しかいない希少動物だ。硬い根っこやコアラも食するユーカリなどを好む。摂食時の表情が口角をキュッとあげて笑顔に見えるため「世界一幸せな動物」の別名を持つ。田中理恵子園長(58)は「季節は逆ですが譲り受けたシドニーと当園(東松山市)は気温推移が似ている。こちらに来たのも20年3月13日で手続きが遅れたらコロナの影響で来られなかったかも」と振り返った。

◆茨城・日立市かみね動物園 ウミウ

真っ黒ではなく、顔から腹の部分はうっすらと白く、くちばしは山吹色、目は鮮やかなエメラルド色だ。ウミウは日立市の市鳥。鵜(う)飼いで有名な長良川など全国11カ所に「働くウミウ」を供給する全国唯一の捕獲地でもある。現在飼育しているのは3羽で名前はない。生江信孝園長(66)は「飼育室はウミウを捕獲する人たちが待ち伏せをする鳥屋(とや)をモデルにした。楽しく学ぶを園のモットーにしております」と話し「水中のエサをのみ込む瞬間は迫力満点ですよ」とアピールした。

◆千葉市動物公園 ハシビロコウ しずか(メス、33歳以上)

鋭い眼光、微動だにしない立ち姿。「決して動かない鳥」で知られるようになったアフリカ産の鳥だ。飼育担当の鈴木祐太さん(24)は2年目。「沼や池の浅瀬にたたずんで好物の魚を油断させて足元に寄ってきたときにバクリ。動かないようにみえるけど、いつでも動ける準備ができているという狩りの方法なんです」と鈴木さんは解説した。

しずかは1989年に来園。2005年からオス「じっと」が加わった。繁殖期には互いに頭を上下しておじぎをしたり、クチバシを連打して親愛の気持ちを伝えるクラッタリングというアクションをするなどの動きはある。

ハイギョが大好物なのだが、園では生きたコイをエサにする。鈴木さんは「確実に食べられるように水槽に入れて、食べやすいようにね。野生環境に近いように生きたままで食べてもらっています」と話した。

◆栃木・宇都宮動物園 ホワイトライオン ステルク(オス、6歳)

アニメ「ジャングル大帝」の主人公レオがそのまま目の前にいるような白いライオン。荒井賢治園長(58)は「とてもおとなしい性格で寝ていることが多いかな」と話し「カメラを持つ人がいると分かるのか、真正面を向いて目線をくれたりする」と教えてくれた。宇都宮動物園は開園して41年目。飼育員が園内を巡回し、来園者と気軽に話す雰囲気があふれている。荒井園長は「施設は古いですけど、何でも聞いてくださいね。いろんなお話ができるのを楽しみにしています」とにこやかに笑った。

◆神奈川・野毛山動物園 ヘキサリクガメ

桜木町(横浜市)から歩いていけて入園無料。教育普及・広報担当の古賀里帆さん(30)の“推し”は、は虫類館。カメ18種、ヘビ5種、ワニ3種のほかにイグアナなどがいる。

ヘサキリクガメは絶滅危惧種で日本での飼育は野毛山動物園だけ。「今展示しているヘサキリクガメは違法な状態で飼育されていて、保護されたんです。元気にじっとしていますよ」と話す。非展示の個体が昨年卵を産んで現在赤ちゃんが5匹スクスクと育っている。古賀さんは「見ていて劇的な変化は期待できないんですが、毎回来るたびに違う様子を見ることができる。ハマると興味深いですよ」と説明した。

■国内最年長キリンか赤ちゃんキリンか

アミメキリンも注目だ。宇都宮動物園の「ハツカ」は93年3月20日生まれで国内最年長(29歳)。荒井園長は「私の入社と同じ。若いころは強くて王さまみたいだったけど、今はおとなしい。でも、来園者にはちゃんと近くにいってあいさつをしますね」と話した。

埼玉県こども動物自然公園は今年3月にキリン舎がガラス張りの室内施設「キリンテラス」としてリニューアルオープン。8月13日に生まれたオスの赤ちゃんが10月18日に公開されたばかり。お父さん「マル」、お母さん「リン」から1文字ずつとった「マリスケ」という名前が今日8日に発表された。「ガラス越しに見るキリンの大きさを堪能してください」と田中園長。

■空のオリにも注目

空のオリも見てください。野毛山動物園のスマトラトラは20年11月に上野動物園に引っ越している。1940年代のバリトラ、80年代にジャワトラが絶滅して、トラ界にとっては種の保存が課題にもなっている状態。なぜ上野動物園で暮らすのか、そのことがトラ舎の周辺には園からのメッセージで説明されている。ちょっとのぞいてみる?