岸田文雄首相「防衛増税」争点の総選挙否定「未来世代への責任でもある」増税に理解求める

岸田文雄首相

岸田文雄首相は10日、臨時国会閉会を受けて、首相官邸で記者会見した。

記者からの質問で多く寄せられたのが、自民党内でも反発が拡大している防衛費をめぐる増税問題だった。

増税を行う場合、国民に理解を求めるために信を問うべきという声が自民党議員から出ていることを踏まえ、「防衛増税」を争点にした衆院解散・総選挙に踏み切る可能性を問われた首相は「全く考えていない」と述べ、否定した。

首相は「増税が目的ではなく、防衛力の強化、維持が目的。総理として、今後5年で抜本的に防衛力を強化すると決断した。そのために財源は不可欠であり、未来世代への責任でもある」などと、理解を求めた。1兆円強を増税でまかなう方針を示しているが、「令和9年度に向けて複数年をかけて段階的に実施し、開始時期は柔軟に対応する。所得税増税の措置は取らない。来年度から開始することもない。今の生活を守るため、未来に責任を果たすためご協力をお願いしたい」とも述べた。

それでも、参院選の公約に掲げておらず、国民への説明が足りないまま増税の表明に踏み切ったことは「首相が大事にしている政治への信頼を毀損(きそん)しかねないか」など、厳しい指摘も出た。首相は「内容、予算、財源の三位一体で考えると、通常国会のころから申し上げてきた。今の世代の負担を未来につけ回すのが、責任を果たしたと言えるのかを考えないといけない。経緯について国民に説明するのは重要なことで、丁寧に説明するのは重要だが、選挙にかかわらず政治は動いている。その中で(今)議論が詰まっている」と主張。北朝鮮のミサイル発射がエスカレートする現状に触れ「5年先を考えて今から作業をする。一刻も猶予はない」とも述べ、増税方針の持論は曲げなかった。