東電の旧経営陣3人、2審も無罪「恥ずかしくないのか」傍聴席から声「不当判決」高裁前ではビラ

東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長(82)ら東電の旧経営陣3人の控訴審の判決公判が18日、東京高裁で開かれ、細田啓介裁判長は控訴を棄却。1審の東京地裁に続き、無罪を言い渡した。

1時間半を超える判決理由の説明が終わると、傍聴席を埋めた支援者からは「恥ずかしくないのか」と声が上がり、東京高裁前では「全員無罪不当判決」のビラが掲げられた。

争点は<1>巨大地震の発生が予見できたか(予見可能性)<2>対策を取れば事故は防げたか(結果回避可能性)。<1>については事故の9年前、02年に国が公表した地震予測「長期評価」の信頼性がポイントとなったが、高裁は「現実的な可能性を認識させる情報でない」判断をした。控訴した検察官役の指定弁護団は<2>について「防潮堤の建設や施設の防水化でも事故は防げた」と主張したが、高裁は「事後的に得られた情報」と退けた。

昨年7月、東電の株主が旧経営陣に22兆円の賠償を求めた民事訴訟で、東京地裁は長期評価について「相応の科学的信頼性があった」、建屋や機器の浸水対策で「事故を回避できた可能性は十分にあった」と認定。旧経営陣に13兆3200億円の賠償を命じている。民事と刑事で判断は正反対となった。

この日、勝俣被告は体調不良で欠席した。武黒一郎元副社長(76)武藤栄元副社長(72)はメモを取りながら判決を聞き入っていた。