大分市の高崎山自然動物園は21日、恒例になっているサルの「選抜総選挙」の結果を発表した。
今年3月に開園70周年を迎えるのを記念して、今年は特別に「高崎山を彩った心に残るサル部門」を設けたところ、「伝説のボスザル」と呼ばれ、強い人気を誇った「ベンツ」が有効投票数(505票)の半数を超える253票を獲得、2位(ドラゴン=78票)以下を大きく引き離して、ぶっちぎりの1位となった。
「ベンツ」は、年功序列が基本のサル社会で、史上最年少の9歳の若さでボスに就任した。しかし、別の群れのメスザルを追いかけて群れを離れたことで1度はボスの座を追われたが、その後、最大勢力だった群れとの「抗争」に勝ち、2011年、群れの序列最下位から21年ぶりにボスの座にのし上がり、その「復活劇」が話題になった。
ベンツは年を重ねた後も、若いサルと比べて鋭い眼光と半端ないオーラを漂わせ、「生きる伝説」と人間に言わしめたサル。名前の「ベンツ」は、その存在感から、ドイツの高級車にあやかったものといわれる。かつて同園の飼育員は、日刊スポーツの取材に「もうあんなサルは現れない。そんな星の下に生まれたサルだと思います」と話していたほどだった。
ベンツは2013年9月、1度失踪したが発見され、再びボスの座に復帰した。サルは死期を悟ると山に戻り、亡きがらを見せないといわれる中、同年末に再び行方が分からなくなり、2014年1月、死亡が認定された。
追悼の場となった「お別れ会」には、1000人近いファンが参列。ベンツは、同園の初代「名誉ボス」の称号が贈られ、波瀾(はらん)万丈だった生きざまは、児童書として出版もされた。
今回の選抜総選挙を通じて、ベンツの根強い人気ぶりがあらためて示された形だ。総選挙では、イケメンザル部門でC群の「ロバート」が2年連続1位となり、人気ザル部門では、英ウィリアム皇太子夫妻の長女にあやかって命名され、話題になった「シャーロット」が5度目の1位を獲得した。