岸田文雄首相は4日、報道陣の取材に対し、LGBTなど性的少数者に対する差別発言をした荒井勝喜秘書官について、更迭する意向を表明した。

荒井氏の発言は「岸田政権は、持続可能で多様性を認め合う社会を目指すと申し上げてきた。（発言は）政権の方針とは全く相いれない。言語道断だと思っている。厳しく対応せざるを得ない」と述べた上で「（更迭かの問いに）そう受け止めている。至急、具体的な対応を考える。進退をも考えざるを得ない発言だ」と述べ、速やかに更迭する方針を示した。

荒井秘書官は3日夜、オフレコを前提にした報道陣の取材の際に差別発言をした。荒井秘書官は首相のスピーチライターも務めてきた。多様性を重視する方針を示してきた政権として、性的少数者らへの差別発言をした秘書官にこのまま仕事をさせるのは難しいと判断したとみられる。

首相秘書官をめぐっては、岸田首相の長男、岸田翔太郎秘書官をめぐっても外国訪問先でのおみやげ購入が批判されたほか、「週刊新潮」が報じた「観光疑惑」もくすぶっている。支える立場の秘書官が首相の足を引っ張る事態が続いており、首相の政権運営には大きな打撃となる。

荒井秘書官をめぐっては、3日の取材の際に、同性婚制度について「秘書官室は全員反対で、私の身の回りも反対だ」とも発言しており、今後、首相の説明責任が問われることになりそうだ。