岸田首相、安倍元首相の“後継”となる自民新人を山口で激励 4月の補選へ遊説スタート

下関市で開かれた自民党候補者の会合であいさつする岸田文雄首相(撮影・中山知子)

岸田文雄首相は5日、4月の衆参補選(4月11日告示、23日投開票)に向けた全国遊説をスタートさせた。

第1弾として、安倍晋三元首相の死去に伴う衆院山口4区の下関市に入り、安倍氏の後継として出馬が決まった自民党公認の吉田真次氏(38)の会合に出席。事実上、安倍氏の“弔い選挙”となる中、「安倍総理の遺志を引き継ぎ、安倍総理を支えた多くの人の心を受け止め、日本の未来を守り抜くのが吉田さんだ」などと、集まった支援者に支持を呼びかけた。

首相は会合に先立ち、安倍氏が長年使い、現在は吉田氏が引き継いだ下関市内の事務所を訪れ、安倍氏の遺影に向かって黙とうした。「(安倍氏が銃撃された)あの時の気持ちは今も忘れられない。安倍総理がリードした日本をすばらしい形で次世代へバトンタッチしないといけない」と語りかけた。

衆院山口4区は小選挙区導入後、ずっと安倍氏が議席を得てきた選挙区だとして「自民党にとっても大切な選挙区。思いを引き継ぐことはプレッシャーだと思うが、チャレンジを決意してくれた」と述べ、「安倍さんの初当選は平成5年、38歳の時。吉田さんが出馬するのは令和5年、38歳。なにかの巡り合わせのようだ」とも語った。吉田氏が野球部で投手だったことに触れ、「私も野球をやっていたので(野球の)ポジションには詳しい。ピッチャーをする人は責任感が強く少し頑固な人間が多いが、頑固というのは政治家にとって大事なことだ」と、野球に関するプチ知識も披露した。

吉田氏は「安倍さんの遺志、魂を引き継いでいきたい。なんとしても負けられない戦いだ」と訴えた。

4月の補選は山口2区と4区のほか、千葉5区、和歌山1区に加え、参院大分選挙区も加わる見通しで、衆参計5選挙区で行われる。統一地方選と並んで岸田政権に「直近の民意」が示される機会となるため、首相は「今後の政局に大きな影響を与えるかもしれない大事な選挙だ」と述べ、必勝を呼びかけている。

保守地盤の山口では、これまで4区で安倍氏、実弟で元首相補佐官の岸信夫氏が2区で議席を得てきたが、支持率がなかなか上向かない岸田首相のもとで、今回はともに新人候補が補選に臨む。自民党内では、獲得票数など「勝ち方が大事」(関係者)の声もある。吉田氏の陣営では、まだ知名度が浸透していないとして「厳しい戦いになる」との声も聞かれた。

衆院山口4区補選には、立憲民主党が有田芳生・元参院議員(71)の擁立を調整しているほか、NHK党は幹事長の黒川敦彦氏(44)を擁立を決めている。【中山知子】