【叡王戦】振り飛車党の菅井八段は黒星発進「中盤の重要な局面で自分のほうが正確性がなかった」

6年ぶりのタイトル獲得を目指す挑戦者の菅井竜也八段(日本将棋連盟提供)

藤井聡太叡王(竜王・王位・棋王・王将・棋聖=20)が菅井竜也八段(30)の挑戦を受ける、第8期叡王戦5番勝負第1局が11日、東京都千代田区の「江戸総鎮守 神田明神」で行われ、先手の藤井が147手で先勝した。タイトル奪取を狙う菅井は開幕黒星スタートとなった。第2局は23日に「名古屋東急ホテル」で行われる。

菅井は序盤で飛車を左に動かして戦う得意の戦法「振り飛車」で挑んだ。「振り飛車」はトッププロの公式戦では指されることが少ない戦型だが、菅井は生粋の「振り飛車党」だ。

過去の藤井との対戦成績は3勝5敗。タイトル戦で藤井と戦うのは初めて。菅井は3筋に飛車を振る後手番の「三間飛車」の戦型を選択した。序盤から前例を離れ、持久戦となった。

終盤にリードを奪われた菅井は粘りを見せたが、最後は押し切られた。

終局後、戦型について「ちょっと普通の形よりはソンはしていて、そんなに成功はしていないが、将棋としては仕方ないのかな」とリスク覚悟の選択だったと明かした。

一局を振り返り「中盤の重要な局面で自分のほうが正確性がなかった」と反省した。

菅井は18年の王位戦以来のタイトル戦。その前の年には王位戦に初挑戦し、羽生善治王位(当時)からタイトルを奪取している。「タイトル戦は気持ちが入る。真剣に勝負できているのでいい経験になります」。

次戦に向け「精いっぱい頑張りたい」と気持ちを切り替えた。

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