341票差の薄氷勝利、参院大分補選で自民が立民を振り切る 衆参5補選で4勝1敗も僅差相次ぐ

岸田文雄首相(2023年1月撮影)

23日に投開票された衆参5つの補欠選挙は24日未明までに、すべての結果が出そろった。

自民党は、同党がもともと持っていた議席を守るという意味で、岸田文雄首相が最低ラインに掲げた「3勝2敗」を上回る「4勝1敗」で選挙戦を終えた。ただ、最後まで立憲民主党候補と競り合った衆院千葉5区、参院大分選挙区など、当初から激戦区とみられた選挙区では、「自民が勝ったとはいっても、僅差の勝利」(与党関係者)が相次いだ。

特に、参院大分選挙区では、自民新人の白坂亜紀氏(56)の票数は19万6122票で、立民の吉田忠智氏(67)の19万5781票と、わずか341票差の超僅差だった。情勢調査では吉田氏のリードも伝えられただけに、逆に立民にとっては票差以上の大きな敗北となった。

また、保守地盤の山口で岸信夫元防衛相の辞職に伴い行われた衆院山口2区補選では、岸氏の長男で自民党公認の岸信千世氏(31)が6万1369票と、元衆院議員で野田政権の法相を務めた平岡秀夫氏(69)の5万5601票に5768票差まで迫られ、当確が出たのは23日深夜にずれ込んだ。午後8時の投票締め切りと同時に報道各社の当確が出る「ゼロ打ち」だった衆院山口4区の吉田真次氏とは、同じ保守王国の山口でも対照的な結果になった。