連立与党を組む自民党と公明党が、次期衆院選の候補擁立をめぐり対立を深めている。自民党の茂木敏充幹事長は23日、国会内で公明党の石井啓一幹事長と会談し、衆院小選挙区定数の「10増10減」に伴い新設される東京28区(練馬区の東部)への公明党の候補擁立を認めない考えを伝えた。その上で28区以外の別の東京の選挙区で、公明候補の擁立に協力を検討すると伝えたが、公明側は回答を留保し持ち帰った。
自民は28区に元職の擁立方針を固めている。一方公明は比例東京選出の現職党幹部を擁立する方針で、自民党の対応次第では東京の他選挙区で自民候補を推薦しない構えを示し、候補者調整問題は両者のチキンレースの様相を呈している。もし決裂すれば連立与党の関係にもひびが入りかねず、事態は深刻だ。
自民党の東京都連は22日の会合で、公明党の東京28区擁立方針に反対の意見が多数を占めた。一方、突っぱねることによる公明党との選挙協力への影響を懸念する声もあった。
東京の選挙区ではこれまで、公明党の太田昭宏前代表が長く当選を重ねた東京12区で自民党は候補を擁立してこず、長年「自公連立の象徴」とされてきた。ただ、前回東京12区で当選した公明の岡本三成氏は新東京12区に出馬せず、次期衆院選は新設される東京29区に立候補する予定。自民党は、現在自民、公明両党候補が不在の新12区などを念頭に、公明党の候補擁立に協力するプランを伝えたものの、落としどころは見えないままだ。
次期衆院選をめぐっては、岸田文雄首相が早期の衆院解散・総選挙に踏み切るとの臆測がある反面、来年秋の自民党総裁選再選を見据え、じっくりタイミングを見極めるのではないかとの声もある。衆院山口4区の自民党内の候補者調整など課題も多い。ただ東京28区問題は自公ともに譲歩する様子がなく、このままでは岸田首相の解散戦略にも影響しかねない状況だ。【中山知子】