芸能界きっての将棋ファンで、NHK-Eテレ「将棋フォーカス」で司会を務めるお笑いコンビのサバンナ高橋茂雄(47)が、藤井新名人へ祝福コメントを寄せた。
「将棋界の過去の歴史的なシーンがあったと思うんですけど、僕は将棋を見始めたのがまだ3年とかなんで、過去の歴史のターニングポイントに立ち会ってないんですよね。羽生善治先生の7冠達成の時とかのすごみを分かってなかったというか。そのすごさが分かった上で、今回の7冠達成、最年少名人という歴史的な偉業を見られて幸せに感じます」
高橋と将棋を引き合わせたのは藤井新名人だった。20年の棋聖戦5番勝負(渡辺明棋聖対藤井七段、当時)を見て以来「観る将」(将棋観戦が好きなファン)として開花。現在は番組の司会を務めるまでになった。「『将棋フォーカス』という伝統のある番組をやらせてもらっている時に、藤井7冠、藤井竜王・名人が誕生したので、これは是非特集を組まないと」と意気込んだ。
藤井新名人とは過去2度、対面している。21年7月の「棋聖戦初防衛祝賀会」では「なんて素朴な方なんやろうっていう印象。飾ってないし。19歳の藤井さんという感じだった」という。今年1月の「竜王就位式」で再会したときには「ホテルの控室に入って来られただけで、空気が変わるようなオーラを僕は感じましたね」と証言した。
さらに「『ONE PIECE』で例えるなら、『覇気』をまとった感じなんですよ。だから藤井さんの『覇気』で、アマ五段ぐらいまでの人は、指さずに投了してしまうんじゃないかっていうぐらいの『覇気』を感じました」と当時を回想。「お話しするとほんまに素朴やし、うそを偽りなく将棋の真理を追求されるとよく言うじゃないですか。その通りの方だろうなと思います」と続けた。
高橋は7冠達成の偉業をお笑い界に例えた。「全テレビ局でゴールデンの時間とかプライムタイムで帯番組が始まったくらい。全部のお笑いの賞レースを獲得した上で、余暇で書いた本で直木賞を取ってしまったみたいな」と語った。
今後の注目は藤井7冠が唯一保持していない王座戦に集まる。「まずは挑戦者決定トーナメントに注目してほしい」。現在、藤井7冠は8強に進出しており、あと3勝で永瀬拓矢王座(30)への挑戦権を獲得できる。高橋はトーナメント表を眺めながら「新進気鋭の斎藤明日斗五段や羽生先生が控えている」と対戦の可能性のある2人の強豪棋士の名を挙げた。
さらに「逆の山には名人を奪取された渡辺(明九段)先生がいる。渡辺先生からしたら、全タイトルを失った状態で、王座というタイトルを取り戻すために、命をかけてこのトーナメントを戦いにくるんじゃないですか」と解説した。 さらに8冠達成についての難しさについても語った。藤井7冠が王座戦を戦っている間、佐々木大地七段との棋聖戦(6月開幕)と王位戦(7月開幕)のダブル防衛戦「12番勝負」が進行する。「佐々木先生も初めてのタイトル戦で生活の全部を、この藤井7冠研究にささげてくるんじゃないですか。藤井7冠はこの2個をまた防衛しないとダメなんですよ。防衛した上で、王座戦の挑戦者決定トーナメントに勝ち上がるだけですごいんですよ」と語った。
藤井7冠の研究仲間としても知られる永瀬王座についても解説した。「コロナ禍の時にめちゃくちゃ2人で研究会をして、練習将棋をやられていたんですね。切磋琢磨(せっさたくま)して、そこでついた力もあって藤井さんは初めてタイトルを取った。永瀬さんは研究の鬼と言われているんですけど、1年間で5000時間、将棋にささげていると言われている。それほど時間を投入しているわけですね」。
仰天エピソードも披露した。「年末に、悲しそうな声で永瀬さんがため息をついていて『どうしたんですか』とある棋士が聞いたら『研究会の相手が見つからないんですよ』と。『やりますよ。私でよかったら』と言ったら、永瀬さんが『いや、元旦の相手がいないんですよ』と。元旦は休むやろ誰でも、みたいな。それが永瀬さんなんですよね」と打ち明けた。「永瀬さんが将棋に対する取り組みで尊敬しているのは藤井さんなんですよ。だから、その2人が王座戦でぶつかるってなったら、やっぱり相当注目ですよね」と語り、目を輝かせた。【高橋洋平】
◆高橋茂雄(たかはし・しげお)1976年(昭51)1月28日、京都生まれ。94年、京都・立命館高柔道部の先輩、八木真澄(48)とお笑いコンビ「サバンナ」を結成。06年から日本テレビ系「エンタの神様」に出演し、「犬井ヒロシ」ネタでブレーク。趣味はサウナ。妻はタレントで女優の清水みさと(31)で、22年12月に結婚発表。176センチ、血液型A。