新山口3区公認問題が最終段階 林外相か安倍氏後継吉田氏か 昭恵夫人も直談判に動く

吉田真次氏(左)と安倍昭恵氏(2023年4月23日撮影)

次期衆院選で新設される山口3区の公認争いが、最終段階を迎えている。

4月の衆院山口4区補選で当選し安倍晋三元首相の後継となった吉田真次氏と現3区の林芳正外相がともに、次期衆院選で公認候補となる支部長就任を希望する中、自民党山口県連の幹部が7日、党本部を訪れ、森山裕選対委員長と面会した。県連側は2人の希望を伝達。森山氏は調整を急ぐ考えを伝えた。党本部は近く、どちらを支部長とするか最終判断する。

一方、自民党安倍派の塩谷立会長代理は官邸で岸田文雄首相と面会し、吉田氏を支部長とするよう要請した。首相は「非常に難しい判断だ」と応じたという。

山口4区は次期衆院選から新山口3区に編入される。現状では新3区支部長には現職の林氏が選ばれ、吉田氏は比例区転出との見方が強いが、安倍氏の昭恵夫人が吉田氏の後援会長に就任し、吉田氏の公認を党幹部に直談判している。旧4区、新3区に重なる大票田の下関は、中選挙区時代に安倍家VS林家がしのぎを削り、双方とも譲れない地。公認されなかった側の反発は避けられず「保守分裂選挙」となる可能性もある。

自民党は、岸田首相が衆院解散に踏み切る場合に備えた環境整備へ、新山口3区などでの候補者調整を急いでいる。【中山知子】