昨年末から、アニメやゲームで人気の「ポケットモンスター」のトレーディングカードを強奪する窃盗事件が全国で相次いでいる。事件の背景にはカード人気の過熱で、希少品が高額で取引されたり、投資の対象になっている背景がある。
東京・秋葉原の国内最大級のポケモンカード専門店「晴れる屋2」渡辺翔店長(36)に14日、カードにまつわる状況を解説してもらった。渡辺店長は「カード販売が始まった1997年から数年、売れてはいなかった」と説明。人気のきっかけは、16年から始まった携帯電話の位置情報を使った「ポケモンGO」だという。「ポケモンのキャラクターを探して見つけることが流行となって、老若男女が興味を持つようになったんです」。そして「ゲーム性だけではなくカードのコレクションとして価値が上がった」と語った。定価以上の価値がつくのは、カードの大会で配布される非売品や、初版で間違ったまま印刷されて第2版で間違いが修正されたことで希少価値が出たカードが多いという。
カード販売店への強奪事件が多発しているが、渡辺店長は高額なカードの管理を徹底している。「高額なものは置かないようにしている。通信販売で扱うようにして、被害があっても最小限に食い止められるようにしています」と話した。
カードの総販売枚数は20年が37億枚、21年91億枚、22年が94億枚と販売実績を順調に伸長。まだまだポケモンブームは続きそうだ。【寺沢卓】
◆ポケモンカード ゲームソフト「ポケットモンスター」シリーズの世界観を対戦型のゲームにする際に使用するトレーディングカード。イラストだけではなくポケモンについての解説、ポケモンの繰り出すワザや強度についてのスペック(性能)の情報も掲載されている。株式会社「ポケモン」ホームページによると、製造累計は3月末で89の国と地域(14言語)で529億枚以上。通常価格は中身が見えないようにパッケージされて5枚セットで200円。テレビアニメ「ポケットモンスター」は192の国と地域で放送されている。