岸田文雄首相は18日、母校の早大大隈講堂で学生らに講演し、自身の人生を「まさかこんなことは起こらないと思っていたいくつもの『まさか』を実感せざるを得ない」と振り返った。
岸田首相は82年に法学部を卒業。受験で失敗を繰り返し入学した早大では、授業よりも読書や映画観賞などの「道草や回り道」を続けたと告白。「お世辞にも模範的とはいえなかったが、こうして母校で首相として講演する。当時は想像できないまさかの世界だ」と述べた。在学中に東京サミットが開かれた時は「ラーメン店でラーメンをすすりながら、ニュース映像をぼんやり見ていた」と振り返り「あの学生がサミットの議長を務め、今G7をまとめなければならない立場に立つ。まさにまさかの世界だ。人生にむだなことはない。失敗は必ず将来に意味をなし、将来の『まさか』につながるかもしれない。何が起きるか分からない未来に、尻込みせず飛び込んでほしい」と、訴えた。
岸田首相は、衆院解散の可能性を否定しないまま「解散風」が最高潮に達した15日、解散見送りを発表して永田町を「まさか」と言わせたばかり。先が読みづらい首相の政治手法を象徴する言葉も「まさか」だが、サミット前後に上昇した内閣支持率は最近「まさか」の下落傾向。それでも首相は、「まさか」を前向きにとらえるよう説いた。こぶしを振りながら校歌を歌い、「フレー、フレー、き・し・だ」と激励された
講演日程は先月までには固まり、政局の行方次第では「決意表明」の場になった可能性もあった。早大出身の首相は岸田首相で8人目。森喜朗元首相も講演に耳を傾けた。【中山知子】