北大西洋の海底に眠る豪華客船タイタニック号の見学ツアー中に圧壊したとみられる潜水艇「タイタン号」の事故原因を巡って、使用素材の強度に問題があった可能性や船体の金属疲労などが取り沙汰されている。
米映画「タイタニック」(1997年)でメガホンを取ったジェームズ・キャメロン監督(68)が、米ABCニュースのインタビューで海上との通信が途絶えた後に浮上しようとしていた可能性が高いと述べた。
タイタン号は、1912年に沈没したタイタニック号の残骸を探索するツアー中だった18日に消息が途絶え、22日になって潜水艇の破片が海底で発見されたことから乗船していた5人の生存は絶望的となった。
自身も33回にわたって調査のために潜水艇でタイタニック号を訪れた経験のあるキャメロン監督は、船体の内側にセンサーが設置されており、亀裂が入り始めた時に警告を発したはずだと語り、乗員は潜水艇が水圧でつぶされる前に問題を認識していた可能性が高いとコメントした。「浮上するための重りを落とし、緊急事態に対処するため海面に上がろうとしていたと信じている」と話した。また、以前からタイタン号の安全性に大きな懸念をいだいていたことなども明かした。 タイタン号は潜水開始から1時間45分後に通信が途絶えて消息が分からなくなったと伝えられているが、同監督はこの時すでに圧壊していたと別のインタビューで明かしている。「通信が途絶えると同時に大きな爆発音があったとの情報は、24時間以内に私の元に届いていた。爆発音、トランスポンダと通信の喪失。これで何が起こったのか分かった。潜水艇が圧壊したのだと」と語り、「私たちは友人を失った。潜水艇はバラバラになって海底にいる」と関係者に伝えていたことを明かした。
どこでなぜ圧壊したのか正確にはまだ分かっておらず、究明に向けた調査は長期化する可能性が出ているが、今後は原因解明と共に5人の発見が急がれる。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)