「プーチンの料理人」プリゴジン氏、14年民間軍事会社ワグネル設立 世界の紛争地域に傭兵送る

ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏(62)が23日、ウクライナ侵攻に参加しているワグネル部隊がロシア南部のロストフ州に入ったなどと表明した。ロシア軍がワグネル部隊を攻撃したと非難し、軍上層部という悪を阻止しなければならないなどと決起を呼び掛けた上、部隊の進路を邪魔するものは撃破するとも警告した。同州には、ウクライナ侵攻の司令部の1つがある。ロシア国家テロ対策委員会は、プリゴジン氏が「武装反乱」を呼びかけたとし捜査に着手した。

プリゴジン氏は、91年のソ連崩壊後に利権を獲得して台頭した「オリガルヒ」と呼ばれる超富裕層の1人。1961年、プーチン大統領と同じサンクトペテルブルクの出身で、一時はクロスカントリースキーの選手を目指した。学校を卒業後、強盗などの犯罪に手を染めて有罪となり、約9年間服役。出所後、90年代にサンクトペテルブルクでホットドッグを販売する屋台を始めた。その後、スーパーマーケットチェーンの株を所有し、高級レストランもオープン。客として訪れたプーチン氏とも親交を深めて政治的影響力を強め、「プーチンの料理人」と呼ばれるようになった。大統領府や学校、軍などへの配食ビジネスを展開し、14年には民間軍事会社ワグネルを設立。世界各地の紛争地域に傭兵を送るなどしてきたという。ウクライナ侵攻でも戦闘員を派遣し、ロシア軍を支えている。許可を得て、刑務所でも徴兵しているといい、戦力は2万5000人とも5万人ともみられている。自身も適宜、戦地に乗り込んで指揮しているとされる。

プリゴジン氏は5月5日にはロシア国防省を批判する動画も投稿。ワグネルの志願兵たちが補給不足のために戦死しているとして「お前らがマホガニーでできたオフィスで肥えるためにこいつらは死んでいく」などと激しい口調で訴え、ロシア軍幹部のショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長に対し、「ショイグ、ゲラシモフ!」と呼び捨てにし「弾薬はどこだ!」と訴えていた。