環境省は12日、強い毒性を持つ特定外来生物「コカミアリ」(フタフシアリ亜科)が国内初侵入したことを確認したと発表した。今月3日に岡山県倉敷市・水島港国際コンテナターミナルの貨物コンテナ底面から約30匹見つかり、処分した。体長1~2ミリの「働きアリ」ばかりで、繁殖力があって羽のついた「女王アリ」(体長約5ミリ)は発見されなかった。
環境省の中国四国地方環境事務所(岡山市)の野生生物課によると、アリの存在が確認されたコンテナは、フィリピン・マニラから神戸港に陸揚げされ、その後に別の船に乗り換えて6月27日に水島港に到着し陸揚げされた。岡山県で実施したコンテナターミナルの定期検査で「小さい個体ではあるが国内で見つかったことのないアリを確認した」との報告があり、アリの専門家が特定した。
野生生物課によると「コカミアリは、女王アリが1匹に限らない。1コロニーにおける産卵量も多いといわれている」としており、特に女王アリは交尾を行わずに産卵できる「単為生殖」ができるため「いったん定着すると根絶が難しいだけではなく、刺されると毒で痛みを感じる。周辺への拡大はないと思われるが、今後も注視していきたい」と話した。
環境省によると、コカミアリは中南米原産。中米からフロリダ以南、アフリカ、ガラパゴス、ニューカレドニアなど太平洋諸島に侵入しているという。2021年に台湾に定着し、22年には中国広東省での発見事例がある。
日本では過去に1例だけ確認されていた。2014年、成田空港の輸入植物の検疫時に発見され、水際で侵入阻止している。【寺沢卓】