将棋の藤井聡太7冠(21=竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖)と豊島将之九段(33)が対戦する第71期王座戦挑戦者決定戦は4日、大阪市の関西将棋会館で行われる。
勝者は永瀬拓矢王座(30)への挑戦権を獲得。藤井が勝てば、史上初の全8冠制覇に挑むことになる。豊島が勝てば、2年連続の王座挑戦となる。
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だれも成し遂げたことがない偉業への扉を開けることができるか。藤井が一発勝負に挑む。大一番の相手は、かつて「ラスボス」と言われた豊島だ。藤井は初対局から6連敗を喫したが、対局を重ねるごとに盛り返し、直近対戦した2月の朝日杯準決勝まで21勝11敗と勝ち越している。
ダブルスコアに近い対戦成績で、現在は8連勝中だが、油断はない。7月の棋聖戦4連覇達成後、豊島戦について「これまでも数多く対戦し、強さは感じています。豊島九段との対局は半年ほど前になり、それ以降、戦型の選択も以前と変えられているところも踏まえながら準備をしていきたい」と語った。
豊島は21年、藤井2冠(当時)に叡王、竜王と立て続けに奪われて無冠に転落した。同じ愛知県出身で、一回り年上の豊島は藤井の「強さ」を熟知している1人だ。藤井が「最強時代」を迎えるときを見据え、将棋に取り組むことを目標にしてきた。約半年ぶりの対戦は、自身の「変化」を見せることができる最高の舞台だ。
豊島は、6月の王座戦挑決1回戦の本田奎六段戦で、意表を突く三間飛車を採用して快勝した。攻め幅を広くして臨む今局はどんな戦法で挑んでくるか、注目される。
王座戦は藤井には“鬼門”だ。初参加となった18年度は挑決準決勝まで進出したが、19年度は同1回戦で敗退。20年度は2次予選で姿を消し、21年度から2年連続で1回戦敗退している。1回負けたら終わりのトーナメント戦だけに、全8冠制覇への最難関とみられていたが、最後の一発勝負まで駆け上がってきた。王位戦7番勝負第3局でシリーズ3連勝後、「まずは王位戦の防衛と王座戦での挑戦権獲得」を目標に掲げた。大一番を制するのは、どちらか。持ち時間は各5時間。先手・後手は振り駒で決定する。【松浦隆司、赤塚辰浩】