台風13号から一夜明け被害の状況が徐々に明らかに 高額な歯科用チェア18台全ての基盤が水に

台風の被害に遭った歯科医院「江沢歯科クリニック」(撮影・沢田直人)

台風13号による大雨から一夜明けた9日、首都圏でも被害の状況が徐々に明らかになり、住民らは後片付け作業に追われた。

千葉県内では土砂崩れの影響で交通網が乱れた。外房線土気駅-大網駅間の線路脇の斜面で土砂崩れがあり、誉田駅-安房鴨川駅間では終日運転を取りやめた。10日も同区間の運転を見合わせるという。JR千葉駅などでは、駅員に問い合わせをしている乗客が多く見られた。

総雨量397・5ミリメートルを記録した千葉県大網白里市では、住宅浸水や道路が冠水する被害があった。市内の空き地には冠水で水没したとみられる車が数台並んでいた。ポンプ車が出場し、コンビニエンスストア前の駐車場の水を排水していた。

台風は各地に深い爪痕を残した。市内の飲食店「再会」ではカウンター席の下まで浸水し、冷蔵庫が倒れるなど店内は散乱。店主の樋口礼子さんは店の食材を全て破棄し、スタッフらと店の泥や砂を洗い流した。樋口さんは「4年前の(台風による)大雨よりもひどい」と肩を落とした。週明けごろに消毒作業を行うといい「予約も入っているので早く店を開きたいです」と話した。JR大網駅近くのレンタルサイクルショップでは、自転車数台を処分したという。店主の女性は「とにかく大変でした」と振り返った。

8月末にリフォームを終えたばかりという歯科医院「江沢歯科クリニック」では床上10センチまで浸水した。江沢義隆院長(62)によると、約350万~約1200万円する歯科用チェア18台全ての基盤が水に浸った。江沢さんは「恐らく全てダメ。再開したばかりなのに診察ができない」と嘆いた。その上で江沢さんは、歯科医院近くの交差点が行政の区画整理で土地が高くなったといい「この場所は30年以上、浸水の被害はなかった。排水の計画までできていたのか、問いたい」と疑問を呈した。【沢田直人】