ジャニーズ事務所の9月の会見を厳しく批判していた経済同友会の新浪剛史代表幹事(サントリーホールディングス社長)が3日、定例会見を行い、同事務所の前日2日の会見内容について「1歩前進した」と一定の評価をした上で「被害者の方がきちっと救済されていくか、どう再発防止していくのかを見極めた上で判断していく」と、今後の動向を注視し慎重に判断していく姿勢を示した。
新浪氏は、ジャニーズ側が会社を被害者救済とタレントのマネジメントの2つに分けたことと、社名変更については「まずは前進したと考えている」と評価した。その上で「どういう風に被害を受けた方がきちっと救済されていくのかを見届けていかなければならない。新会社も再発防止のためにどういうガバナンスが行われていくのかちゃんと見なければならない。広告主としては、今後どういう契約になっていくのかもまだ把握していない。状況を見極めた上で判断していく」との見解を述べた。
ほかにも「児童虐待は絶対に起こしてはならない。だから再発防止を申し上げている。絶対に再発しないことが重要で、担保することが肝要」「救済は早くやらなければならない」「ガバナンスがクリアになることが大切で、期待している」などと強調した。
新浪氏は9月の事務所会見後に「調査の内容や対応が不十分。真摯(しんし)に反省しているか疑わしい」「所属タレントの起用は児童虐待を認めることになる。国際的にも非難の的になる」などと批判。経済界では広告主の企業を中心に“ジャニーズ離れ”が広がり、サントリーホールディングスも「被害者の救済策や再発防止策で納得のいく説明があるまでは、同事務所と新たな契約を結ばない」との方針を表明していた。
新浪氏はこの日、今後の自社の対応について聞かれると「(CM起用などを)すぐ再開するというモードにはなっていない。被害者救済や再発防止のガバナンスが納得いく形であることが大前提」と指摘。ジャニーズ側との取引再開のめどについてはさらに「被害を言えない方もちゃんと救済するような、心のケアも含めて徹底的な救済が実行されること。心の安寧は時間がかかるかもしれないが、努力している姿が重要だと思う」「時期で区切るものではない。報われたなという被害者の方が多く出てくれることを願っている」などと説明した。
所属タレントについては、「タレントのみなさんが活躍できる場をつくっていただくことが大切」「早い時期に再開できるといいなと思う。タレントのみなさんは、日本に明るさを提供してきた方々だから。新しい事務所で早く再開できることは願っています」と言い添えていた。
国際的な信頼回復にも言及。「人権侵害には断固としたスタンスでのぞんでいく。今回は海外でも報じられ、日本そのものがそうなんじゃないかと言われてしまったことを、非常に悔しい思いをしている。日本の企業は世界でいい商品を売り、喜んでいただいた。そこにこういう1点の曇りがあることによって、私たちの信念が違う形で見られてしまった。この教訓を生かし、人権を考え直していきたい」と述べていた。