中銀カプセルタワービル、展示場「シャトル」として復活 レンタルスペースに

解体前の中銀カプセルタワービル(撮影・寺沢卓)

サイコロのような形状で、脱着可能な部屋を組み合わせた「中銀(なかぎん)カプセルタワービル」(2022年12月解体工事完了)から取り出した部屋が2基、東京・築地4丁目の松竹本社のある東劇ビルの敷地内に移築された。4日、この部屋が展示場「シャトル」として再生し、報道陣に公開された。

シャトルは松竹がスペースレンタル事業として「伝統と現代の新たな接続方法を生み出すラボ(実験場)」の意味を持たせたとした。また、プロジェクトオーナーで開発に携わった松竹の藤井瑛二さんは「未知の宇宙にはばたいていくスペースシャトルをイメージしてこの名称を採用した」と話した。

140基あったカプセルはほとんどが解体工事の際に処分され、保存状態の良い23基が残り、再生されて世界各国に譲渡される。そのうちシャトルでは2基を譲り受けた。1972年の建設時と同じ仕様で再現された「オリジナルカプセル」と、内装や仕様がすべて排除されて運搬用コンテナのような「スケルトンカプセル」。今後はこの2基を設置したレンタルスペースとして、1基だけならば1日6万円から貸し出す方針だ。

オリジナルスペースには建設当時の仕様が再現され照明は通電しているが、電話、テレビ、オープンリール、冷蔵庫、さらに水道、シャワー、トイレなどの水まわり部分は機能していない。

そもそも、設計した黒川紀章氏はホテルなどでの生活が多かったこともあって、台所や洗濯機はついていない。70年代における都会的生活の最先端を想像しながら体現できる施設にはなりそう。今後はギャラリーとしてさまざまな表現者が発表の場とする場所として活用されそうだ。

藤井さんは「シャトルを限定して使用するつもりはなくて、使っていただくみなさんで使い道を考えていただくような施設になりそうです。なので今のところ、なんであるかということについては『展示場』という表現に留めようと思っています」と述べた。

シャトルを松竹と共同運営する「マガザン」は、利用に関しては年内はほぼ埋まっていて「来年以降は検討中の案件がある」と話している。【寺沢卓】