【とっておきメモ】菅直人氏の伸子夫人は「選挙の鬼」物言う家庭内野党夫の活動鍛えた姉さん女房

2010年民主党代表選の際、インタビューに応じる菅直人元首相の伸子夫人(2010年9月撮影撮影)

<とっておきメモ>

立憲民主党の菅直人元首相(77=東京18区)は21日、次期衆院選に出馬せず、国会議員の活動を引退する意向を表明した。自身のX(旧ツイッター)に「『市民政治』『戦うリベラル』の旗を、若い世代にしっかり引き継ぎたい」として、世代交代を意識した判断だと明かした。

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菅氏の選挙区、東京18区は近年、選挙のたびに「激戦区」として注目されてきた。元武蔵野市長で自民党国会議員も務め、因縁の関係にあった土屋正忠氏との戦いは「土菅(どかん)戦争」と呼ばれ、菅氏の同区での戦績は5戦3勝、2度の比例復活。一方、前回2021年衆院選は、東京21区から国替えして土屋氏の後を継いだ旧民主党時代の元部下、「師弟対決」となった長島昭久氏を約6000票差で振り切った。

菅氏はこの選挙を自身の「集大成」として戦ったが、50年以上連れ添う伸子夫人(78)も、同じ思いだった。元祖・家庭内野党といわれた、1つ年上の物言う姉さん女房。政治家・菅直人を語る上で外せない人だ。弁舌の巧みさは夫以上で、自宅でも夫婦で、時に激論となるほどの政治論議をかわした。菅氏はかつて、国会での与野党議論を夫婦げんかに例え「自分は鍛えられている」と語ったこともある。

伸子夫人は、当時首相だった菅氏と小沢一郎氏との激闘となった2010年9月の民主党代表選で、携帯電話2台を駆使して夫への支持要請の電話をかけまくった。当時行った夫人へのインタビューでは「私の仕事の本籍地は専業主婦」と言いながらも「勝てると思うと負けるのが選挙」と口にして「選挙の鬼」の一面をのぞかせた。

この時、「(菅氏には)野党第1党の党首のほうがふさわしいと思うが、万年野党の党首では意味がない」と話したり「もし勝てても、長期政権になるかは分からない」と分析していた。菅氏が首相に就任した時には「はからずも、でなければ夫は総理になれなかった」と語っていた。情熱と冷静さ、アクセルとブレーキを踏み分けながら、夫の活動を支えた。

伸子夫人は昨年の参院選でも、街頭で立民議員の応援に立っていた。今後は、夫婦での選挙応援となることもあるのかもしれない。【中山知子】