【ひふみんEYE】藤井聡太8冠に感服 21歳の若さでこんな構想を描ける棋士は見たことがない

竜王戦7番勝負第3局の終局後、感想戦を行う藤井聡太竜王(右)伊藤匠七段(撮影・松浦隆司)

<ひふみんEYE>

将棋で史上初の8大タイトル独占を果たした藤井聡太8冠(21=竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖)が同学年の伊藤匠(たくみ)七段(21)の挑戦を受ける、第36期竜王戦7番勝負第3局が25、26の両日、福岡県北九州市「旧安川邸」で行われ、後手の藤井が伊藤を破り、シリーズ対戦成績を3勝0敗とした。

   ◇   ◇   ◇   

藤井竜王の快勝譜です。7筋の歩を取らせる巧妙な作戦から、5筋を攻めて伊藤陣を押しつぶす形になりました。5筋の位を取って中央を突破する戦略からペースを握ると、有利とみて、相手玉を上から寄せる順を見通していたと思います。21歳の若さでこんな構想を描ける棋士に、今までお目にかかったことはありません。序盤の研究が行き届いていると感服しました。

伊藤七段は封じ手の後、飛車で5筋の歩を払って急戦に持ち込みましたが、歩で取っての長期戦にした方がよかったのではないでしょうか。対藤井戦の先手番で相掛かりからの乱戦にしては、先手番の良さが生きません。王座戦5番勝負でうまく立ち回った永瀬さんの将棋を研究した方がいいです。ここまで来たら、頭を切り替えるのも面白いと思います。

藤井竜王があと1勝すれば、タイトル戦19連勝となって大山先生(故大山康晴15世名人)の記録に並びます。次はエース戦法の角換わりでしょう。偉業に期待しましょう。(加藤一二三・九段)

【関連記事】藤井聡太8冠「横綱相撲」で竜王戦3連勝「防衛のことはあまり考えずに2日間集中して指したい」