「安倍派を介錯する覚悟」口止め暴露の宮沢博行氏「安倍総理に恩もあるが…」派閥の解散訴える

自民党の政治刷新会議で安倍派の解散を訴えた宮沢博行前防衛副大臣(撮影・中山知子)

自民党安倍派(清和政策研究会)の宮沢博行衆院議員は16日、党本部で開かれた「政治刷新本部」の第2回会合で、安倍派の自主解散を主張した。会合出席後、報道陣の取材に「安倍派は解散すべきだ。私は派閥に残って、派閥を介錯(かいしゃく)する、安倍派を介錯するという覚悟を述べた」と明かした。

また「(党内の)議員グループや派閥でルール違反があった場合、活動停止命令や解散命令を出してもいいのではないか」とも訴えた。

この日の議論では、派閥のあり方について出席者から「賛否両論があった」と明かした。自身は「今回のこと(裏金事件)も派閥の存在が原因で起きた。私も派閥には大変お世話になっているし(派閥会長を務めた)安倍総理にもお世話になり恩もある」としながらも「だからといって、残さないといけないというところには思いは至らない」と強調。「(同じ考えの)同志はいる」とも訴えた。

宮沢氏は昨年12月、安倍派のパーティーをめぐる政治資金問題をめぐり、派閥からキックバック分について政治資金収支報告書に記載しないように指示を受けていたことや、不記載について口止めされていることを報道陣に暴露した。自身の不記載分は、2020年から2022年の3年間に140万円だと明かした上で「多くの(安倍派の)仲間も早く説明し潔白を証明したいと思っていると推測するが、(派閥から)『しゃべるな、しゃべるな』と。これですよ」と述べ、派閥側の口止めにあっていることも述べ、怒りをみせていた。

報道陣に非公開で行われたこの日の議論には100人超の自民党国会議員が出席し、約3時間近く続いた。岸田文雄首相や、派閥会長の麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長らは「じっと意見を聞いていた」(宮沢氏)という。