「岸田首相は自民党総裁を辞めるべき」橋下徹氏が指摘 裏金問題で処分なしは「信じられない」

橋下徹氏(2018年6月撮影)

大阪市長や大阪府知事を務めた橋下徹氏は7日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演し、自民党の派閥政治資金パーティー裏金事件をめぐり4日に党紀委員会が関係議員に下した処分に含まれなかった岸田文雄首相について、自民党総裁を辞任すべきだと指摘した。

党紀委員会は4日、安倍派で衆参両院トップの立場にいた塩谷立座長(74)と世耕弘成元参院幹事長(61)に、離党勧告とするなどの処分内容を発表した。世耕氏は4日に離党届を提出し受理されたが、塩谷氏は処分を不服として再審査請求検討の方針を示している。

一方で、元会計責任者が略式起訴された岸田派の会長を務めた岸田文雄首相、会計責任者らが在宅起訴された二階派会長を務め、次期衆院選不出馬を表明した二階敏博元幹事長は、おとがめなし。特に党トップである岸田首相の処分なしには、党内外から強い批判が出ている。

岸田首相自身が責任を取るべきとの声があることについて、橋下氏は「当然だと思いますよ」と述べた。「民間企業で組織がこれだけの不祥事を起こして、トップが辞めない民間企業なんて、ありますかね。岸田さんが責任をとらないとなれば、今後、日本で民間企業が不祥事を起こした時、行政として指導ができない」と、民間の論理では考えられないとの認識を示しながらただし「岸田さんが責任が何もなしなんていうのは、信じられない」とも、批判した。

その上で「岸田さんも『自分の派閥(の裏金問題)じゃないから』とか言うんですけど、派閥は自民党内部のグループの話だ」と、ばっさり。「自民党は160億円の政党交付金が出る。税金を払わない(でいい)お金が160億円そのままいくような組織でこのような不祥事が起きた時、トップが責任を取らない。僕は総裁を辞めるべきと思うが、トップが何も責任を負わないなんて、160億円を受ける資格はない」とも、指摘した。

これに対し、出演した自民党の片山さつき政調会長代理は「今回(の処分では)いろいろなルールをつくった。金額の問題や(派閥の)運営における責任度合いを縦糸、横糸で、それなりのルールをお作りになっているが、それが国民にすとんと落ちるかというとそれは違う」と述べた。「党と党紀委員会がおまとめになったものは、ひとつの理屈だとしても(岸田首相の)政治的な責任は何かしたほうがいいのではないかというのは、ちらっと申し上げたりしている」とも口にした。