【万博開幕 記者メモから】開幕までの舞台裏 まさかの“コタツ記事“推奨もノーサイド

大阪万博の開会式で歓迎の辞を述べる大阪府の吉村洋文知事(代表撮影)

【大阪・関西万博 開幕前日 記者メモから】

すったもんだの末にいよいよ大阪・関西万博が開幕する。12日、大阪市のEXPOホール「シャインハット」では開会式が行われ、天皇、皇后両陛下や秋篠宮ご夫妻がご臨席された。

建設費の上振れ、工期の遅れ、チケット売り上げ不振、予約の煩わしさ、会場でのメタンガストラブル、アンバサダーのゴタゴタ…。1970年の大阪万博もそうだったと聞くが、国家プロジェクトにはつきものの多くの問題が浮かび上がった。

我々スポーツ紙も振り回された。

万博のメディアパス発行を巡って、万博協会からアナウンスはなかった。テレビ局関係者と万博会場でのイベント取材について雑談をしているときに、「ところで、入場証はこちらでは出せないので、メディアパスって入手しました?」と聞かれ、「え? もう受付始まってるんですか?」と返すと、「めちゃくちゃ面倒ですよ。時間も数週間かかるし」。

この時点で3月上旬。慌てて協会に問い合わせたところ、「現在、万博記者クラブ加盟社などにご案内させていただいており、順次ご案内させていただきます」。一般紙の記者やテレビ局関係者にも確認したところ、どうやら、市政記者クラブなどを中心とした、関西万博記者クラブなど限定されたメディアには通知されていたらしいが、スポーツ紙や雑誌、ネットメディアは万博記者クラブの存在すら知らない人も多かった。

弊紙は幸い、パスの受け取りに間に合ったが、13日に間に合わなかった媒体もあったようだ。

さらに、開幕式の取材も万博記者クラブに限定された。当初はNHKの生中継だけに限るという話だった。天皇、皇后両陛下や秋篠宮ご夫妻、石破茂首相が出席し、「警備の都合」とされたのは仕方がない面もあるのは分かるが、「NHKで生中継するので、そちらをご覧になって書いていただけたら」。まさか万博協会から“コタツ記事”を推奨されるとは夢にも思わなかった。

万博協会からは、吉村洋文知事やタレントが出演しての機運醸成イベントが行われるたびに、取材案内が来ていた。岸田文雄首相(当時)が参加した2年前の起工式から取材し、少なからず機運醸成に寄与してきたつもりだ。「利用するだけして、肝心なところは取材させてくれない」との思いがないといえばウソになる。

とはいえ、ようやく開幕までこぎ着けた。開会式で大阪府の吉村洋文知事がすべての関係者に「ありがとう」と感謝の気持ちを評していたように、文句を言うのはここまで。10月13日の閉幕までトラブルなく突っ走ってくれることを願いながら、明日からは現地から情報をお伝えできればと思う。【阪口孝志】