【大阪・関西万博】「紙の地図200円なんてケチくさい」“嵐の船出”歓喜の一方で課題浮き彫り

大阪・関西万博が開幕も、会場は暴風雨に見舞われた(撮影・藤尾明華)

大阪・関西万博が13日、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で開幕した。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、10月13日までの184日間の会期が始まった。158カ国・地域が参加する。待望の幕開けに歓喜の声が上がる一方、会場内の各所、最寄り駅では「長蛇の列」ができ、「並ばない万博」を目指す運営の課題が浮き彫りに。午後には風雨が強まり、来場者からは「帰りたい」の声が続出するなど、“嵐の船出”となった。

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午前9時、ゲートが開くと次々に大勢の人が足を踏み入れた。大阪市内から来た男性会社員(55)は「まずは米国館で“宇宙体験”をしたい」と小走りした。大規模な万博の国内開催は05年愛知万博に次いで20年ぶり、3度目。大阪府で開かれるのは70年以来、55年ぶり。

会場への主要アクセスルートとなる大阪メトロ中央線夢洲(ゆめしま)駅は早朝からごった返した。改札のトイレは1カ所で、女性用のトイレには行列ができた。家族で訪れた大阪市の山下聡さん(38)は入場ゲート付近で突然、スマホの通信状態が悪くなった。アプリの地図に接続できず、紙のマップ(200円)を買うことにしたが、案内所では1時間以上待ちの大行列。「チケット代も払っているのに紙の地図が200円なんて、ケチくさい」と不満を漏らした。入場チケットとなるQRコードが表示できなくなる人もいた。

会場では午後3時過ぎから雨と風は激しくなり、多くの人がずぶぬれに。国内パビリオンの行列にいた神戸市の会社員女性(28)は「万博会場に入るのに2時間もかかり、パビリオンの予約をしてきたのに1時間以上も待っている。雨と風で寒いし、もう帰りたい」。売店、トイレも行列が続いた。事前予約制など「並ばない万博」を前面に打ち出していた日本博覧会協会だが、各所で「長蛇の列」ができた。

四方を海に囲まれた世界初の「海上万博」。海からの突風に傘がひっくり返る“アクシデント”を「これもアトラクションの1つかな(笑い)」。一方で“無用の長物”とも揶揄された建設費約350億円の万博の象徴「大屋根リング」は大活躍した。多くの人はリングの下を利用し、雨にぬれずに移動した。

午後には東ゲート付近に帰宅する人が詰めかけ、大混乱。“出口規制”され、多くの人が足止めされた。神戸市から家族で来た会社員男性(35)は「まさか帰るのにこれほど待たされるとは…。想定外や。いつ駅にたどり着けるか、アナウンスすらない」と困惑した表情を見せた。会期中、約2820万人の来場を見込む大阪・関西万博が、多くの課題を抱えたまま船出した。【松浦隆司】

-【写真特集】ついに開幕!大阪・関西万博の模様をお届けします-https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202504130000622.html-