立憲民主党は25日午後の臨時執行役員会で、今夏の参院選公約に盛り込む消費税の負担軽減策について、時限的に食料品の消費税率をゼロ%に1年間に限って引き下げる案を承認した。野田佳彦首相がその後の定例会見で発表した。経済情勢次第で、1回だけ延長できるとした。
その上で、ともに候補案に残っていた、中低所得者の消費税を実質的に還付する「給付付き税額控除」に移行する措置が「いちばんの目標」だとして、同制度設計が整えばそちらに移行させていく考えも示した。
野田氏は「大事なことは、財源を明示しないといけないということ」として、財源確保策を政調会長に指示したことも明かした。
野田氏は2012年の民主党政権の首相時代、税と社会保障の一体改革として、2014年に8%、2015年に10%に引き上げることを自民、公明両党と合意し、消費税関連法案を成立させた「ザ・当事者」。本来、消費税減税には慎重な立場だった。当時、消費増税路線に反対した小沢一郎ら同党衆参両院議員約50人は民主党を離党し、党が分裂。その後の衆院選で政権を失った経緯があり、消費税をめぐる議論は民主党の流れをくむ立民にとって「鬼門」「トラウマ」となっていた。
今月に入っては、枝野幸男元代表が、党内で拡大する減税論について「ポピュリズム」と批判し「『減税ポピュリズム』に走りたいなら、別の党を作ってください」と踏み込んだ経緯もあり、トップである野田氏の決断が注目されていた。
野田氏は、首相時代の主張から「変心」した形になったことについて問われると「これまでは、今さえよければいいではなく、将来世代をおもんばかる政治ということで、一体改革を進めたが、今を生きる人たちの暮らしも当然大事だ」と主張。「今までの考えや行動と矛盾することはないのか」と問われると「まったくありません。社会保障に穴を開けることがないよう、財源も提示をするという2つの命題の中で制度設計をしないといけない。矛盾はしていません」と、述べた。
枝野氏の「ポピュリズム」発言については「今は言っておられないと思う」とした上で「物価高で厳しく困難な生活を余儀なくされているみなさんから、食料品に関する悲鳴はたくさん聞こえてくる。ポピュリズムでは、けしてない。そういう声を踏まえた意見の中で(食料品の税率ゼロを求める声が党内の)多くの意見だった。他党の方とも共有できる話と思う」と強調。決断には「悩んだり、もん絶したり、七転八倒した」と苦悩したことも吐露した上で、「党の最終決定であり、(執行役員会)全員で確認した。まとまって行動していただけると確信している」と述べた。