中田英寿氏が日本の農政に提言「根本的に広げるのは政府にしかできない」農業人口減少にも危機感

特別対談セッション「挑戦~未来に繋ぐ日本文化~」に登場した中田英寿氏(撮影・村上幸将)

サッカー元日本代表MF中田英寿氏(48)が25日、都内で開催中の日本食文化の祭典「CRAFT SAKE WEEK 2025 at ROPPONGI HILLS」で、政府の農業政策に注文を付けた。日本酒の販売促進事業を展開している同氏は、水出し専用の日本茶ブランドに続き、ボトリングティーブランドも立ち上げており「日本酒もお茶も農業。農業人口を、もっと増やしていくための政策というのはしなきゃいけない」と訴えた。

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中田氏は、イベントを主催するJAPAN CRAFT SAKE COMPANY代表として登壇。特殊な製法でボトルに詰められ、注ぐだけで本格的な日本茶の風味を楽しめる高級茶「ボトリングティー」の第一人者で茶師の田島庸喜氏と対談した。「16年、日本全国の農業、工芸、いろいろ回っていまして。お茶を知れば知るほど、イタリアにいたころのワインに似ている」と語った。

自身も水出し専用の日本茶ブランド「HANAAHU TEA」に続き、ボトリングティーブランド「SIGUSA(四草)」も立ち上げた。その立場から「日本茶を世界に発信していくために自治体、国の政策として押し出して欲しいところは?」と質問が出た。

中田氏は「農業全般に言えると思うんですけども、農業人口をもっと増やしていくための政策はしなきゃいけない」と訴えた。「フランス料理が世界中に広がったから、ワインも世界に広がった。イタリアもそう。和食をどれだけ世界に広げるか、積極的に政府は取り組むべき」と提案した。

米不足で日本中が揺れる昨今だが、農業人口低下への危機の声も高まる一方だ。中田氏は「過去50年でお茶の生産者は10分の1以下。ペットボトルで非常に広がったが、茶葉単価も2分の1以下になった」と厳しい現状を紹介。田中氏も「1次産業の高齢化が進んでいる」と懸念を訴えた、

中田氏は「味を作ったり、売っていくのは、こちらでもできる。やっぱり、大きい市場を根本的に広げるのは政府にしかできない」と強調。その上で、自身のプロジェクトについて「茶葉を高く買えるブランドに自分たちがなって、茶農家の数を増やせるかが1番の目標。そうすると、自然に多くの耕作放棄地がなくなり、自然が豊かになって、きれいな日本になると考えるのが重要」と力説した。【村上幸将】

◆「HANAAHU TEA」 中田氏が生産者が抱える後継者不足や市場価格の低迷などの課題に向き合いながら、日本茶の魅力を持続可能な形で再提案することを目指し昨年、立ち上げた。食事とのペアリングに特化し、100種類以上の茶葉から厳選。摘採時期や発酵時間の細やかな管理、異なる火入れのブレンドで日本の四季を感じる色合い、香り、味わいを表現した春夏秋冬の4種(1袋税込み3402円)がある。