<鳥海高太朗の静岡深掘り>
連載「鳥海高太朗の静岡深掘り」第4回は、「富士山登山、今年から導入の静岡県側の入山料4000円は妥当か」がテーマです。航空・旅行アナリスト鳥海高太朗氏(46)が、静岡に関する身近な話題を分かりやすく解説。お得な情報もお伝えします。
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富士山の静岡県側3ルート(富士宮、御殿場、須走)で、登山者から1人4000円の入山料を徴収する条例が9日、施行された。7月10日~9月10日までの開山期間が対象。山梨県側は昨年から2000円の入山料を徴収していたが、今年から4000円に引き上げた。今年は、どちらの県から登山しても、4000円が徴収される。
スマートフォンアプリの事前登録システム「静岡県FUJINAVI」をダウンロードし、入山料のオンライン決済、登山ルールの事前学習やテストを済ませることで入山証が発行される。事前登録ができない場合、5合目の登山口での手続きも可能。県では今シーズンだけで入山料収入4億円を見込んでいる。県は入山料条例について「富士山の環境の保全及び安全で快適な富士登山の実現を図るため」とし、弾丸登山などを防ぐ目的も含まれる。
入山料徴収は、これまで静岡県の税金で負担してきた部分を登山者から徴収することで、県民の負担が一部減ることが期待できる。そのほか、清掃やトイレの整備、警備員の配置など、富士山の美観を守るためのコストに充てられる。以前から議論され、ようやく本格導入に至った。
海外では1万円以上の入山料を設定している山も多いが、富士山の4000円は妥当な金額だろう。しかし、もう少し柔軟な形で考えられないだろうか。地元の静岡や山梨の両県民は半額の2000円程度に下げたり、年に複数回もしくは前年に登山客のリピーター割引など、さまざまな形が考えられる。将来的には日本人と外国人の二重価格の設定も含め、今後検討していくべき課題とみている。
外国人の富士山登山のマナー違反が近年相次いでいる。コロナ禍での入国制限が解除され、23年夏から外国人観光客の富士山登山が復活。特にこの2年ほど、外国人登山者のマナーが社会問題化している。県の「静岡県富士登山条例」では山小屋の宿泊予約をしていない場合、午後2時から午前3時までの入山は認めない。山小屋に宿泊せずに「弾丸登山」する外国人が絶えない状況になっていたからだ。
さらに、半袖短パンやスニーカーなどの軽装登山をしたり、火気厳禁の場所で調理器具を持参して料理をしたりするなどのマナー違反が相次いでいる。最近では、中国人大学生がシーズン外でかつ登山計画書の提出もせずに登山し、2回連続で遭難。山岳救助隊に救助された。特に2回目は携帯電話を山頂に忘れたので取りに再度向かったとのこと。まさに無謀な登山であり、この2回の救援費用も税金が使われた。人命救助は第一であるが、ルールを守っている場合の救助でない場合には救援費用は本人から徴収するべきである。刑事罰や今後の入国を制限するなど罰則規定を含めた条例や法律の制定が必要な時期に来ているだろう。
◆鳥海高太朗(とりうみ・こうたろう)1978年(昭53)7月17日、千葉県生まれ。成城大卒。航空・旅行アナリスト、帝京大学理工学部非常勤講師。航空会社のマーケティング戦略を主研究に、自らも国内外を巡りながら体験談を中心に各種雑誌・経済誌などで執筆している。静岡第一テレビ「every.しずおか」のコメンテーターとして静岡県内も精力的に取材している。