同じ白黒つける世界の“碁縁”…囲碁・藤澤一就八段一門が大相撲湊部屋の稽古見学「刺激になった」

湊部屋の稽古を見学した囲碁の藤澤一就八段一門の棋士たち

白黒をつける勝負の世界に身を置く者同士のコラボが実現した。囲碁の藤澤一就八段(60)の弟子たちが13日、埼玉県川口市にある大相撲の湊部屋(元前頭湊富士)の稽古を見学した。師匠同士がもともと知り合いで、昨年1月に発足した藤澤一門後援会に湊親方が名を連ねたことが「碁縁」となり、今回の交流が実現した。

一門の出世頭で、天元2期など計4期タイトルを獲得している関航太郎九段(23)をはじめ、寺山怜六段(34)、藤澤八段の娘の藤沢里菜女流本因坊(26)の夫で、義理の息子である横塚力七段(30)ら9人の棋士が参加。初めて目の当たりにするぶつかり稽古を食い入るように見つめた。「迫力を体感した」「体がぶつかり合う音、声がすごい」などと語った。

お待ちかねのちゃんこを食べた後は、7路盤で同部屋の力士9人や湊親方らに指導碁を行った。対局で使う19路盤と違って初心者用だが、「やっぱり負けず嫌いなのか、覚えるのが早いですね」(寺山)など、感心していた。

湊親方からは、「相撲の勝負は一瞬。そこで力を発揮するため、何時間も何日もかけて稽古をする。練習したことを土俵の上で出そうと、ありとあらゆる準備をする。取り組みの時は、あれこれ迷ってはいけない。とにかく集中する。囲碁も対戦相手のことを研究したり、手を読んだりして対局に臨むことでしょう。よく似ていると思います」と勝負術を伝授された。「負ければ、あっさり忘れる方がいい。人によりますが」とか、「場所中は対戦相手の取り口を研究したりします」といった力士の日常も明かされた。

藤澤八段は後援会を発足させるにあたり、囲碁の技術の向上だけでなく、勝負に臨む姿勢、人間力の形成、囲碁の普及などによる社会貢献などを目標に掲げている。今回はその活動の一環だ。「連れてきてよかった。刺激になったと思うし、別の世界を見ることで何かを感じてほしい」と、弟子たちの今後の成長を期待していた。